KOHH、5lack、C.O.S.A.……次代を担う若手ラッパーを音楽ライター2氏がレコメンド

MAKER

MAKER 1st album『Gravitic』[trailer]

「MAKERは岐阜県に拠点を置くラッパーで、2015年にMAB Logosというレーベルを立ち上げ、ファースト・アルバム『Gravitic』を出しました。初期の降神の志人や、元Mic Jack ProductionのSHUREN the FIREを彷彿とさせる、鬼気迫る鋭い言葉とフロウを持ったラッパーで、C.O.S.A.とともに群を抜く個性を持っていると思います。インターネットでディグすることが一般化する昨今にあって、珍しいほどインターネット上に情報が少ないのもミステリアスで興味が湧くところ。AK-69の曲にフィーチャリング・ラッパーとして参加したこともありハードコアな一面ものぞかせますが、実験的なスタイルが彼の本領ではないでしょうか。詩人としての才能も感じさせるラッパーです」(二木信氏)

RITTO

RITTO「1.2.1.2.」pro.by OLIVE OIL

「盛り上がっているといわれるローカル・シーンの一つが沖縄。とりわけ、本土の耳早い日本語ラップのヘッズからも関心を集めているラッパーがRITTOです。2012年に行われたフリースタイル・バトルの大会〈ULTIMATE MC BATTLE〉で沖縄代表に選ばれるほどラップのスキルは確かなもので、リリックでは、単なるリゾート地ではなく基地問題などを抱える沖縄という土地のリアルと向き合っています。2013年の1st『AKEBONO』ではまだ自身のスタイルを完全に確立できていない印象もありましたが、福岡在住のトラックメイカーであるOLIVE OILと共作した「1.2.1.2.」では彼のユニークなフロウが引き立っている。しかも、沖縄出身のミュージシャンがエキゾチシズムを演出するためにとかく取り入れがちな三線の音色とかウチナーグチとかに頼っていないのに、妙なトロピカル感もある。近年はLCCで沖縄に安く行くことができるからか、本土と沖縄の間で音楽家の行き来も活発化しているらしいので、そういった状況で大化けする可能性もあるラッパーだと思います」(中矢俊一郎氏)

 ほかにも、GOMESSやFla$hBackS、SALUなど、さまざまなスタイルを持った若手ラッパーが続々と現れている現在のシーン。今回紹介したラッパーたちからさらに掘り下げていけば、また新たな才能にも出会えるはずだ。

(文=編集部)

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