西廣智一がw-inds.&Leadの最新作を分析
2015年はw-inds.とLeadが熱いーー10年選手ならではの実力に刮目せよ!
男性ダンス&ボーカルグループと聞いて、皆さんどんなアーティストを思い浮かべるだろうか。SMAPや嵐を筆頭としたジャニーズ事務所グループ、あるいはEXILEや三代目J SOUL BROTHERS、GENERATIONSなどを輩出したEXILE TRIBEといったところが代表的なアーティストと言えるだろう。実際こういったグループはみな、ヒットチャートでもそれなりの結果を毎回残しているし、ライブを行えば動員もかなりの数字なのはご存知の通り。しかし、何か忘れてはいないだろうか。そう、まだEXILEがシーンに登場する前から10数年にわたり、第一線で活躍し続ける男性ダンス&ボーカルグループが2組いる。それが今回紹介するw-inds.とLeadだ。
有無を言わさぬ本格派サウンドで攻めるw-inds.
今年で結成15周年を迎えるw-inds.は先日、通算34枚目の最新シングル『FANTASY』をリリースしたばかり。2000年の2ndシングル『Feel The Fate』から33作連続トップ10入りを続ける彼らも、2003年の10thシングル『Long Road』以降1位を獲得していないが、実はこれだけの記録を樹立しているし、全10作のオリジナルアルバムもすべてチャートのトップ10入りを達成。もちろんこういった数字の面だけはなく、音楽的にも常に進化をし続けているから興味深い。近年はEDMを取り入れたサウンドで人気を博したが、昨年は最新アルバム『Timeless』で聴ける、より“レトロモダン”なサウンドへと接近している。RHYMESTERの宇多丸は自身のラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)にて、2014年J-POP No.1楽曲としてw-inds.のアルバム『Timeless』収録曲の『Make you mine』を選出。その理由として「ジャスティン・ティンバーレイクの世界最良のフォロワーっていう言い方は失礼にあたってしまう。いや、そんなことはないです。むしろ本家を超えているぐらいじゃないか?っていうぐらいの素晴らしさだと思います」とコメントを寄せているのだ。
1月21日にリリースされたシングル『FANTASY』でも、w-inds.はその“レトロモダン”サウンドをより深化させている。表題曲はシンプルなコード進行、そして昨今のダンスミュージックと比較すると少ないトラック数が印象的な、じっくり聴かせるミディアムテンポのファンクチューン。例えばバックトラック(シングル収録のインストバージョン)を何も言わずに聴かせたら、誰も2015年の最新サウンドだと気付かないかもしれない。そんな普遍的な魅力を持った、スルメ的ナンバーだ。ここに今年で全員30代に突入するメンバー3人が、絶妙なボーカル&コーラスワークを乗せていく。ここ数年はKEITA名義でソロ活動も続けている橘慶太も、ディープな歌声でこの曲をより魅力的なものへと進化&深化させている。