『妖怪ウォッチ』関連曲がチャート上位独占 ヒットを生むクロスメディア戦略とは?

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Dream5+ブリー隊長『ダン・ダン ドゥビ・ズバー! 【オリジナル妖怪メダル ブリー隊長付】』(エイベックス・ピクチャーズ)

参考:2014年10月27日~2014年11月02日のCDシングル週間ランキング(2014年11月10日付)

 今や大人気となっている『妖怪ウォッチ』がらみの楽曲が1、2位にランクイン。ちなみに1位はアニメの新エンディングテーマ、2位はゲーム新作のテーマソングである。

 妖怪ウォッチは一般的なタイアップ作品とは少し違ったビジネスモデルになっている。通常であればゲームが先行して作られ、後にアニメ化、そしてその主題歌がリリースという、言ってみれば行き当たりばったりな順序でモノを作っていくことになるわけだが、妖怪ウォッチの場合は企画立ち上げのかなり初期段階からエイベックスが参加して、音楽関連部分を細かく作り込んでいる。だから作品内容としっかり絡んだ楽曲をリリースすることができているのだ。たまに「ゲームの売れ方はさほどでもなかったけどアニメのデキがよかったおかげで人気が拡大した」みたいなことを言う人もいるのだがこれはちょっと間違いで、ゲーム、アニメ、さらには主題歌やコミカライズなど各社が担当セクションを受け持ちつつ、最初から連動しながらヒットを狙って作られた作品ということになる。

 発売元のFRAMEは「イナズマイレブン」をやっていた頃にゲーム担当のレベルファイブと音楽担当のアップフロントが一緒にやっていたレーベルだったが、今はレベルファイブとエイベックスの持ち物になっている。妖怪ウォッチは大ヒットしただけに、今後もこの2社がFRAMEを使ってタイアップ曲を作っていくことになりそうだ。今週1位のDream5が歌う前作「ようかい体操第一」が人気を集めたのも、こういうクロスメディア戦略のたまものであった。

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