アイドルはなぜ“恋愛禁止”を掲げるのか 姫乃たまが自身の体験から見いだした答えと不安

 そもそもアイドルのほとんどは若い女の子です。何も考えずに恋愛をしないでいる若い女の子というのも違和感があります。

 夢を追いかけて恋愛を我慢する子も、ファンや関係者とバレないように付き合う子も、全く関係ない人と付き合ってアイドルなんか辞めろと言われる子も、若いうちに恋愛をしてはいけないという前提でファンと擬似恋愛をしていくという特殊な状況に身を置いているのは共通です。それはアイドルではない私生活の彼女たちに少なからず影響します。私も例外ではありません。

 私の地下アイドル生活は充実したものです。売れてはいませんが。一方で21歳のひとりの女としてはかなり不安があるのです。誰かひとりが私だけを好きでいてくれると信じられないのです。

 薄々気付いていたこの不安を、改めて自覚するのが怖くて考えないようにしてきました。16歳の時から多くの人に愛されるようにつとめてきて、多くの人が愛してくれて、ずっとそれでよかったからです。

 しかし、就職だ、結婚だという年齢になっていよいよ自分の不安に気づいてしまいました。今までは地下アイドルだから真剣に恋愛できない、で大丈夫だった。しかしこれから先、いつまでそれを続けるんでしょうか。

 ファンの結婚はこれ以上ないくらい嬉しいことです。しかし、ふと現実に引き戻された感覚になるのは、私生活の自分が不安だからです。

■姫乃たま
1993年2月12日下北沢生まれの地下アイドル。2009年より都内でのライブ活動を中心に地下アイドル活動を開始、2011年よりライターとしても活動している。他に司会やDJ、イベンターなど活動は多岐にわたる。
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