ルーマニアのセクシーシンガー=インナが説く、自然体の音楽「楽しい時間を共有して、楽しもうってだけ」
ルーマニアといえば、何を連想されるだろうか? 30~40代の方なら体操選手のコマネチと答えるかもしれないし、博学な方はドラキュラ伯爵のモデルとなったヴラド3世と言うかもしれない。音楽好きの若年層ならば、2011年に「Mr. Saxobeat」で一世を風靡したアレクサンドラ・スタンだろうか。様々な候補があるだろうが、近年「ルーマニアといえば?」の有力な選択肢に入ってきそうなのが、女性シンガーのインナである。彼女のキャリアを簡単に説明しよう。
09年に「HOT」でデビューすると、同作がいきなり全英チャート6位を記録するなどヨーロッパ中心に10数カ国のチャート上位に食い込むと、12年リリースのアルバム『I Am the Club Rocker』がさらに大ヒット。特に収録曲である「Club Rocker」は、USの人気ラッパー、フロー・ライダーの参加も話題となり、“オ、オ、オ、オ、オ~”の印象的なフレーズも相まって爆発的なヒットを記録し、一躍世界的な注目を集めるに至った。
彼女の魅力は、東欧出身ならではのエキゾチックな容姿が醸し出す妖艶な美。ミュージックビデオをご覧いただければ、誰もがそういった印象を受けるだろう。実に官能的である。しかし、彼女は決してその手の“話題性”だけのアーティストではない。ダンスミュージックを軸に、ロマやジプシーのサウンドを取り入れたサウンドは、ノスタルジックな旅情を誘いながらも、果てしなく陽気。こういった得も言われぬ魅力が潜んでいるのだ。
今年、アメリカのメジャーレーベル「アトランティック」と契約し、いよいよ本格的に世界始動したインナ。4月に「Cola Song」、7月にはお祭り番長ことピットブルを迎えた「Good Time」をリリースし、どちらも日本のiTunesダンスチャートで1位を獲得している。
「ゴイスー! ゴイスー! すごくうれしいわ! 日本のファンが好意的に受け止めてくれるなんて! ルーマニアという小さい国から来た私が、日本のリスナーからこんなに歓迎されるなんて本当に幸せよ!」