乃木坂46の成長はこのまま続くのか? 最新のSGチャートから読む

 今週は枚数的には乃木坂の一強だが他にも気になるものが多い。たとえば4位のGLAYは基本的にジリジリと売り上げを下げ続けているのだが、今回は久々に前回の初動枚数を上回った。3.7万枚だった前回が落ち込みすぎだったという感もあるが、事務所からの独立や自主レーベル立ち上げなど思い切った路線で地道な活動を続けているグループだけに頑張ってほしいところ。

 それから5位のBEE SHUFFLEについては全く知らない人もいると思うが、こちらは韓国系のテレビ局が企画モノ的に立ち上げた、日本人と韓国人の混成グループ。韓国系のアーティストがこのくらいの位置にいるのは最近のチャートではごく普通のことだが、これはテレビタイアップだけあってリリースが頻繁で、しかもプロモーションが著しい。そして特に「○万枚売れなければペナルティ」といったリアリティショー的な仕掛けがなされているのが興味深い。こういう「電波少年」的なリアリティショーでCDを売るのは日本では15年以上前に流行ったやり方なわけで、簡単に言えば今どき流行らないものだ。今回のBEE SHUFFLEの順位にも、この手法がそこまで功を奏したようにはちょっと見えない。しかしこれはこれとして、韓流アイドルにありがちな純朴さの一部として、その懐かしさを愛でてあげるのが正しそう。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』『一〇年代文化論』がある。Twitter

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