解散直前のBiS、音楽シーンに与えた影響は? その型破りな活動を振り返る
アイドルグループのBiSが7月8日、横浜アリーナにて解散ライブ『BiSなりの武道館』を開催する。
BiSはこれまで、2011年7月に全裸でダッシュするMVを公開したのを始め、メンバー間の不仲騒動さえもコンテンツにしたり、スクール水着姿で客席にダイブしたりと、アイドルらしからぬ活動で注目を集めてきた。また、世界的ノイズバンドである非常階段とのコラボを展開、さらにはファッションデザイナー・コシノジュンコを加入させるなど、予測不可能な企画の数々は、アイドルシーンだけではなく、音楽シーン全体にも大きな衝撃を与えた。
BiSの映像コンテンツに携わる、スペースシャワーTVの映像プロデューサー・高根順次氏は、その活動は従来のアイドルファンのみならず、多くの音楽ファンの耳目を集めたと語る。
「BiSの活動は、まず面白い企画ありきで展開しており、メンバー自身も参加してそれをどう作り上げるかという点にポイントがありました。たとえば『バックステージ・アイドル・ストーリー』という下ネタのアニメなどは、以前のアイドルならばやらなかったことでしょう。普通ならやっちゃいけない企画を面白く表現できるのが、彼女たちのすごさなんですよね。そうやってことごとく従来のアイドル像を破壊すると共に、新しいアイドル像を提示してきた。言い方を変えると、彼女たちの存在がアイドルシーンに対してのある種の批評として機能してきたのではないでしょうか。そういう姿勢は従来のアイドルファン以外も魅了していて、途中からはライブ現場でパンク系のファンなどを見かけることも増えました」
実際、BiSが約一ヶ月前から行っている『日本エヴィゾリ化計画』という、代表曲「nerve」のダンス動画募集企画には、東京女子流やEspeciaといったアイドルグループだけではなく、サイプレス上野や忘れらんねぇよ、vampillia、大森靖子といった幅広いジャンルのミュージシャンが参加し、大きな盛り上がりを見せている。