E-girlsは「ガールズグループ」をどう変える? スパイス・ガールズ以来の系譜で読み解く
そうしたガールズグループの潮流においてE-girlsというグループは異色の存在だ。大人数によるメンバー構成や本格志向のダンスなど参照元になったのは少女時代周辺のK-POPグループだろうか。エレクトロな要素をふんだんに取り込んだ実験的なトラックやサビにかけての盛り上がりなども彼女らに通ずるものがある。一方で歌メロは俗に言う「和製R&B」。R&Bの格好よさとJ-POPの耳なじみの良さを上手くミックスさせたサウンドはEXILEファミリーの系譜を正統に受け継いだものだ。またYMOの名曲「RYDEEN」やちびまる子ちゃんでお馴染みB.B.クイーンズの「おどるポンポコリン」をカバー。トラックに胡弓や琴といった日本の伝統楽器をサンプリングするなど「和」「日本」といった要素を散りばめているのも実にEXILEファミリーらしい。このようにE-girlsとはEXILEの遺伝子を引き継ぎながら、R&BとJ-POPの「旨み」をうまく取り入れたハイブリッドなガールズグループなのである。
E-girlsは7月9日に『E.G. Anthem -WE ARE VENUS-』をリリースした後、8月13日には『おどるポンポコリン』、9月10日には『Highschool ▽ love』をリリースする。それぞれタイプの異なるシングルで、彼女たちの魅力が余すことなく詰まった作品だ。ぜひこれらの作品も手に取り、 次世代ガールズグループの「現在」を感じとって欲しい。
(文=北濱信哉)