ネットカルチャーのニューアイコン 緑川百々子はアイドルのボーダレス化を象徴する

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5月21日発売のアイドルDVDマガジン『IDOL NEWSING vol.1』のオフショット

 緑川の仕事は、ネットカルチャー的なもののアイコンとして捉えられたものが多い。それは「コンテンツの象徴として女の子を前面に出す」というアイドル的な使われ方であり、広義の意味では「アイドル」のポジションにいるとも見受けられる。実際、彼女のことをアイドル視するファンも多いようだ。

緑川:小さい頃からテレビを見てずっとアイドルになりたいなって憧れてたんです。でも、その自分が理想とするアイドルになれないっていうことが分かって。アイドル視されたりもするけど、自分はイメージされてる「アイドル」になれないなって思うことがたくさんあって。アイドルの魅力は、私になれないようなところがあること、です。

 緑川はインターネットによってその存在が広まり、活動の幅が広がっている。しかしその反面、ネット特有の「怖さ」を感じたりはしないのだろうか。

緑川:インターネットでいろんな人に見て貰えるのはすごい快感で。例えば中学生の頃にはナゴムの話ができる友達はいなかったけど、ネットをやるようになってから、できました。でもその嬉しいだけの時期を越えたら、怖いこともいっぱいあるんだってことも知って。だけどいいこともたくさんあるし、私を見て貰える場なので、これからもインターネットでの表現は続けたいです。

■緑川百々子(みどりかわ・ももこ)
11月17日、東京生まれ。160cm、45kg。好きなアイドルは山口百恵、ももいろクローバーZ、BABYMETAL。好きなマンガ家はねこぢる、福満しげゆき、華倫変、TAGROなど。
2011年にコスプレデジタル写真集「ショートカット」を自主制作で制作、発売。以降、「ウインクキラー」や「ツノがある」(「女の子にはツノがある」をテーマとしたプロジェクト)などにモデルとして登場。2013年にはさよならポニーテール『ヘイ!! にゃん』のMVに起用され、注目を浴びた。5月21日発売のアイドルDVDマガジン『IDOL NEWSING vol.1』では、ジャケットモデルを蒼波純、いずこねことつとめ、「緑川百々子とサブカルチャー」に出演している。
オフィシャルサイト
オフィシャルツイッター

■岡島紳士(おかじま・しんし)(@ok_jm
1980年生まれ。アイドル専門ライター。著書、共著に『グループアイドル進化論』、『AKB48最強考察』、『アイドル10年史』『アイドル楽曲ディスクガイド』など。埼玉県主催「メディア/アイドルミュージアム」のアドバイザーと、会期中に行われた全9回の番組&イベントMCを担当。DVDマガジン『IDOL NEWSING』制作。

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