危機を乗り越えてきたNEWS その根強い人気の理由と、飛躍のための課題

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 メンバーの飲酒騒動や脱退などにより、一時期は活動が危ぶまれたNEWSだが、グループ結成10周年を記念したライブのDVD&Blu-ray『NEWS 10th Anniversary in Tokyo Dome』が3月19日に発売され、3月31日付のオリコンDVD総合週間ランキングで2位にランクインし、その人気が健在であることを見せつけた。同作にはライブ映像のほか、メンバーがツアー中に行った「ご褒美旅行」の様子も収録、3枚組で見応えのある内容となっている。NEWSとしてリリースするフィジカル作品としては、2013年7月にリリースしたアルバム『NEWS』以来となり、ファンにとっては待望の1作といえるだろう。

 最近のNEWSを見ていると、グループとしてよりも、メンバーそれぞれが異なるフィールドで活躍するケースが目立つ。小山慶一郎は『news every.』(日本テレビ系)にてキャスターとして活躍。3月31日から放送している2週間限定の特別番組『トーキョーライブ24時~ジャニーズが生で悩み解決できるの!?~』(テレビ東京)では、視聴者から寄せられた「職場の悩み」に応えるなどしており、コメンテーターとしての実力も評価されつつあることが伺える。2011年『ピンクとグレー』で小説家デビューした加藤シゲアキは、現在も執筆活動を継続中。3月21日にはシリーズ3作目となる『Burn.‐バーン‐』を刊行した。増田貴久と手越祐也はボーカルユニット「テゴマス」での活動が目立つ。ジャニーズ内でも屈指の歌唱力を誇る2人による、アイドルソングの枠を越えた楽曲の数々は評価も高く、1月22日にリリースしたアルバム『テゴマスの青春』は2月3日付けのオリコン週間アルバムランキングにて2位にランクインしている。

 しかしながら今回の映像作品の人気を見る限り、今なおグループとしてのNEWSに訴求力があることは間違いないだろう。ジャニーズの動向に詳しいライターのジャニ子氏も「各メンバーのキャラクターが立っているからこそ、グループとしての活動も大事」と指摘している。

「NEWSはメンバーの脱退などで一時期はその後の活動が危ぶまれましたが、固定ファンをしっかりと掴んでおり、少しリリースが空いたからと言って忘れられるようなグループではありませんでした。また、そういった時期があったからこそ、メンバーそれぞれが強みを活かした活動に力を入れ、現在の地位を築けた部分もあるのでしょう。今の彼らは、今後10年、20年と通用する“芸”を磨く時期なのかもしれません。しかし、個々の活動を見てもわかるように、彼らはジャニーズの中でも特に優等生的な資質を持ったメンバーが揃っていて、若いファンからすると少し敷居が高いグループになってきている印象も受けます。小山さんは本気で身体を鍛えていたり、手越さんはフットサルチームを作ったりと、プライベートもストイックな感じで少し近寄り難い存在というか。

 そういった意味で、ここ数年のNEWSの楽曲は重要でした。『チャンカパーナ』に代表されるように、彼らの楽曲は4人でかっこよく踊るというよりも、ファンと一緒に盛り上がれるような楽しい作品が目立っています。そしてそういう楽曲があることで、彼らにはアイドル的な親しみやすさが生まれていましたし、一方でアーティスト路線のテゴマスや加藤シゲアキさんの活動が引き立つという面もあったかと。今後、さらにNEWSが飛躍するためにも、新作が待たれるところです」

 また、ジャニーズ内での明確なポジショニングも、同グループに必要なのでは、とジャニ子氏は続ける。

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