『アイドル楽曲ディスクガイド』出版イベントレポート
ザ・ピーナッツからBABYMETALまで……11人の論者がアイドル楽曲の43年史を語る
坂本「渋谷系以降聴くものがなかった人が『LOVEマシーン』で転んだ」
●00年代前半(タンポポ、プッチモニ、ミニモニ。、松浦亜弥、Whiteberry、ZONE、dream、杏さゆり、星井七瀬 etc)
岡島:ハロプロ勢の勢いが凄い。ファンのコミュニケーションがネットを通じて盛んになった。
宗像:Webカルチャーの面から見てもハロプロは凄かった。違法ダウンロードが広まった時期だったけど、それでもCDは売れていた。また、ゼティマはCCCDを最後までやらなかった。その辺のストロングスタイルも素晴らしい。
岡島:アイドルに興味がない人がハロプロの音楽から入ってきた。
坂本:渋谷系以降聴くものがなかった人が「LOVEマシーン」で転んだ。それ以前のモーニング娘。はダサかったが「真夏の光線」くらいから評価が変わったけど、売上は伸びなかった。ダンス☆マンが参加することで当時の音になっていて、「LOVEマシーン」で吹っ切れた。
フクタケ:DJ文化が東京周辺へ定着した時期だった。一方で、ポストSPEED的なものを模索したavexは、後に残るものを育てている。
宗像:BEE-HIVE(アミューズ出身のアイドルグループの総称)は報われなかった。毛色の違うPerfumeだけが生き残った。
フクタケ:00年中盤は杏さゆりや乙葉といったグラビアアイドルがアイドルの代表の時代だった。
●00年代後半 (Perfume、AKB48、Berryz工房、℃-ute、真野恵里菜、中川翔子 etc)
ピロスエ:世間的にはハロプロのピークが過ぎた時期。それでもハロプロにこだわるか他のアイドルへ推し変するのかファンは迫られた。
宗像:Perfumeは「ポリリズム」のブレイクによって報われた。ここに至るまでが長かった。
岡島:中川翔子の功績は色々と多い。ネットランナーがBLOGをやらせた。
坂本:AKB48は「スカート、ひらり」の頃に劇場で見た。当時は「また、パンツ見せてるのか」って感じだった。
宗像:陸海空の自衛隊の協力で作られたAKB48の「RIVER」のPVは震災前(09年)だからできたもの。平和じゃないと作れない。
フクタケ:この頃の秋葉原はカオスだった。歩行者天国のいたるところでライブがおこなわれていた。
岡島:ホコテンのアキバ系アイドルによるストリートライブの熱狂が、ディアステージ、そしてでんぱ組.incにつながっている。