グラミー賞のロードだけじゃない 海外で10代の有望シンガーソングライターたちが台頭中
ここ数年、世界的に10代のミュージシャンが台頭してきている。その最たるものとしては、先日行われた第56回グラミー賞授賞式にて、主要4部門のひとつである“最優秀楽曲賞(Song of the Year)”に輝いた弱冠17歳の歌姫、ロードが挙げられるだろう。昨年ジャパンツアーを行った、ザ・ストライプスも記憶に新しい。
若い世代のアーティストが脚光を浴びるようになった背景には、インターネットが発達して動画サイトやSNSで個人が情報を発信できるようになった結果、大手レコード会社などのプロモーションだけに頼るのではなく、その才能がいち早く世に見いだされるケースが増えたこともあるのだろう。
もちろん、ただ若いからといって話題になるわけではない。ロードの作る曲は、古典的なフレーズや音作りと、2000年代以降のサウンド感覚が融合している。これが音楽に新たな息吹を吹き込んでいるのだ。そして彼女だけではなく、海外では続々と10代のシンガーソングライターが躍進を遂げている。ここでは、その中でも期待のアーティストを紹介したい。
ジョン・レノン・マカラー
プライマル・スクリームやオアシスを輩出した、伝説のレーベル「クリエイション」を主宰していた、アラン・マッギー。彼が新たに立ち上げたレーベル、「359MUSIC」からの第一弾アーティストとしてデビューしたのが、15歳のジョン・レノン・マカラーだ。フォークやブルース調の音楽と、時には若々しくポップに、時には大人っぽくしっとりと歌い上げる。その詞や曲、アーティストとしての佇まいに、かつてのオアシスを引き合いに出す声も少なくない。
影響を受けたアーティストとして、ボブ・ディランの名前を挙げており、11歳のときに初めて彼の音楽に触れた際は、その声、曲、歌詞すべてに惚れ込み、自分でギターを手に取って歌いはじめたという。彼がボブ・ディランやオアシスの曲を歌っていたライブに、偶然居合わせたのがアラン・マッギー。その才能に惚れこみ、音楽の道を進むようアドバイスするとともに、「次にレーベルをやる時にはこの坊やと契約しよう」と決意したという。ちなみに、このインパクトの強い名前は、れっきとした本名だそう。