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濱野智史の地下アイドル分析(第2回)

CD1000枚購入の猛者も…ファンを虜にする地下アイドルの“ゲーム的な仕掛け”とは

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インタビューカット2.JPG「推しメンは絞りきれない」と語る濱野智史氏。

――AKBくらい市場が広がると、ひとりのファンが持てる影響力は限られてきます。

濱野:そうなんです。初期AKBの面白さとまったく同じで、ALLOVERでは自分の一票の重みがすごい。ALLOVERはいつも現場にいる常連も十数人くらいしかいなくて、そういうすごく狭い範囲での戦いですからね。だから自分の買ったCDの枚数で推しメンの勝敗が大きく左右され、現場もどよめく……という、ある種の真剣勝負の面白さがあった。個人的に今年の夏一番熱かったですね。

 あと僕が比較的通っているグループだと、らぶけんこと「愛乙女★DOLL(らぶりーどーる)研究生」があります。ここはその名のとおり「愛乙女★DOLL 」というグループの研究生で構成されたグループです。

 「愛乙女★DOLL」は通称「らぶどる」とか「らぶど」と呼ばれていて、地下アイドルの中ではかなり大手の、ファン数も多いグループで有名です。ここは2011年に元AKBの研究生をふたり(愛迫みゆ、佐野友里子)入れて作ったグループで、AKBからの流出したファンも多いらしいと聞きますね。ただ僕は、地下は最近ハマったばかりなので、本体の「らぶどる」は全然詳しくはなかったんです。それがたまたま今年4月に秋葉原で始まった定期公演にフラっと入って、それが推し始めたきっかけになりました。だから僕は本体の「らぶどる」はよく知らないけど、「らぶけん」を通して「らぶどる」を知っていくヲタになっていて、研究生のメンバーと一緒に成長している感じです(笑)。これはAKBなんかもそうですけど、アイドルオタクの基本として、“アイドルはなるべく初期から推したい”という心理がある。活動初期はメンバーに認知もされやすいし、応援すれば喜んでもらえますからね。まさに「らぶけん」もそんな感じで入って行きました。

愛乙女★DOLL『Paradise in the summer』(Arc Jewel)

――パフォーマンスが特徴的なグループはありますか?

濱野:これは純粋な意味でのパフォーマンスとは違うかもしれませんが、福岡を拠点に活動している青SHN学園は、もうはちゃめちゃで最高に盛り上がりますね! 初めて観たのは2月でしたが、いきなりアイドルの格好をした男性が踊り始めて、“学園長=プロデューサー”のSHUN様が歌い出す。“アイドルのライブなのにおっさんが歌うの!?”と驚いていると、メンバーたちがステージからフロアにぞろぞろと降りてきて、ヲタと一緒にオーイング(楽曲に合わせて“オー!”と叫ぶこと)を始めるんです(笑)。

 ヲタからすると、普通は“ステージ上のメンバーからレスがあってうれしい”というレベルなのに、曲によってはメンバーもフロアに降りてきて、肩を組んだり手をつないだりしながら、「オーエーオー!」とシャウトして一緒に盛り上がってしまう。これは今年の5月にあったワンマンに行ったときの話なんですが、『ぬくもり』という曲では観客もみんな手をつないで聴くんですよ。隣が汗臭いおっさんだったら最悪ですが(笑)、たまたまこのとき、僕の隣にちょっといいなと思っていたシュガー(佐藤彩)ちゃんというメンバーが来て、めちゃくちゃラッキーでした。だって“5分間、アイドルとずっと手をつないでいられるなんて、握手券に換算したら大変なことだぞ”と(笑)。

 もともとアイドルの現場はハコが小さくて、ステージとフロアに大きな隔たりもないし、距離も近いからこそ、ステージ上のメンバーからレスをもらうことができる。ステージ上のパフォーマンスをただ受動的に見るだけじゃなくて、こっちからコールをしたりミックスを入れたりヲタ芸を入れたりして、能動的に参加できる――アイドルの現場はそういうインタラクティブ性が魅力だと思うんですけど、それをいま極限まで追求したのが、青SHUN学園だと思いますね。だってもう、文字通りステージとフロアの区別なんてないですから(笑)。本当にここはいつ行ってもフロアは大盛り上がりで、最終的にはプロデューサーのSHUN様を好きになって帰っていく、というよくわからない現場です(笑)。

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