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“爆音”上映が生み出す、圧倒的臨場感! “カナザワ映画祭2017 at YCAM”レポート

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 8月24日(木)から27日(日)の4日間、山口情報芸術センターYCAMで、“YCAM爆音映画祭2017”が開催される。音楽ライブ用の音響セッティングをフルに用いながら、大音響で映画を“観る/聴く”試みとして、映画ファンから高い支持を受けている、樋口泰人(映画批評家/boid主宰)監修による“爆音映画祭”。今は無き吉祥寺バウスシアターに端を発して、現在は全国各所で開催されている“爆音映画祭”とYCAMの関係は深く、2013年にスタートして以来、今年で実に5回目を数えるという。

 山口県山口市にある山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media)、通称“YCAM(ワイカム)”とは、2003年の開館以来、メディア・テクノロジーを用いた新しい表現の探求を軸として、市民や様々な分野の専門家と“ともにつくり、ともに学ぶ”ことを理念として活動している文化施設である。実際のところ、そこは果たして、どんな場所なのだろうか? 同施設では、“YCAM爆音映画祭2017”に先んじた8月3日(木)から6日(日)にかけて、同じく樋口泰人が音響監修する“カナザワ映画祭2017 at YCAM”を開催。それに参加すべく、実際現地を訪れてみることにした。

 音楽ライブも十分可能な、エクストリームな上映環境

 東京は羽田空港から飛行機で約1時間半。山口宇部空港から車で約50分。山口市の中心部、湯田温泉に程近い場所に位置する山口情報芸術センターYCAM。磯崎新設計による波型の屋根が印象的なYCAMは、図書館、ホール、美術館などが隣接した複合施設である。今回の“カナザワ映画祭2017 at YCAM”及び“YCAM爆音映画祭2017”の会場となるのは、3つあるホールのうち最も大きい300人収容の“スタジオA”。音響家が選ぶ“優良ホール100選”に中四国地方で唯一選出されるなど、有数の音響設備を持つホールとして知られている会場だ。

 ここで改めて、“カナザワ映画祭”について、説明しておくことにしよう。“カナザワ映画祭”とは、2007年より石川県金沢の地でスタートし、独自のラインナップによって、コアな映画ファンから圧倒的な支持を獲得している民間主催の映画祭である。11回目を数える今年は、年一回9月開催という枠を超え、7月から11月の約半年にわたって、金沢をはじめ、山口、羽昨、北九州、京都、仙台など全国6箇所で開催、テーマごとに分けた特集上映を行うなど、映画祭としては異例の“全国ツアー”を敢行中なのだ。その2つめの開催地となる山口市。それが今回の“カナザワ映画祭2017 at YCAM”という次第である。

 YCAM最大の特徴である音響設備をフルに活用した特集上映にしたいという思いから、“爆音”部門が開催されることになった今回の“カナザワ映画祭2017 at YCAM”。先述したように、その音響監修を務めるのは、YCAMはもちろん、カナザワ映画祭とも所縁の深い樋口泰人だ。要は、“カナザワ映画祭”が選定した作品を、YCAMが誇る充実の音響機材を用いて、樋口泰人が音響監修する形で上映する、というのが今回の趣旨なのである。かくして、そのラインナップは、『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』を皮切りに、『トラ・トラ・トラ』、『ハクソー・リッジ』、『この世界の片隅に』、『野火』、そして『シン・ゴジラ』など、いつにも増して戦争色の強いもの――とりわけ、太平洋戦争に関係した作品が多く並ぶものとなった。  

 

 4日(金)の夜、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、『バタリアン』、『スペースバンパイア』といった、ある意味“カナザワ映画祭”らしい、アクの強い作品が並ぶ“爆音オールナイト”から参加した筆者。到着早々驚いたのは、YCAMという施設全体の先進的な美しさと綺麗さだった。それも束の間、会場となるスタジオAに足を踏み入れると同時に視界に飛び込んできたのは、スクリーンの左右に設置されたライアレイスピーカー。立川シネマシティやチネチッタ川崎などにも導入されている、大規模なライブなどではお馴染みの縦長の複合スピーカーである。今回の特集上映のため、YCAMに用意されたスピーカーの数は、全45台。スクリーン脇のライアレイスピーカーをはじめ、天井、座席下、さらに座席後方にもスピーカーを設置。音楽ライブも十分可能な、まさしくエクストリームな上映環境と言えるだろう。

      

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