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Iggy and the Stooges

(イギー・アンド・ザ・ストゥージズ)

イギー&ザ・ストゥージズの3rdアルバム『ロー・パワー』の発売当時の邦題は『淫獣魔人』。つくづくナイスなセンスだと思う(マジです)。ナイフで己の体を切り刻んだり、裸でガラス破片の上を転げまわったりと、常軌を逸した奇行の数々は、まさに“淫獣魔人”——イギー・ポップのことである。
イギーのキャリアの始まりはドラマーであり、当初はブルースに傾倒していた。しかし、数々の黒人ブルース・マンとの共演を経て、白人にはブルースができないことを悟る。そこで出会ったのがドアーズやMC5といったロック・バンド。いたく刺激を受けたイギーはスティックをマイクに持ち替え、ザ・ストゥージズを結成したのだ。
1stアルバム『ザ・ストゥージズ』(69年)は、プロデューサーに元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルを迎え、わずか2日間で録音されたという。ここから「アイ・ワナ・ビー・ユア・ドッグ」や「ノー・ファン」(セックス・ピストルズがカヴァー)といった、後のパンク・クラシックとなる曲が生まれた。耳をつんざくようなメタリック・ギターにイギーの狂犬のごとき咆哮、ここにロックの初期衝動の全てがある。
その後もバンドは『ファン・ハウス』(70年)、メンバー・チェンジや一時解散を経て『ロー・パワー』(73年)と、刹那の淵までブレーキの壊れたドラッグ・カーで突っ走った。そして、その果てにあったものは、過大なプレッシャーとドラッグ渦……。以後、イギーは長い隠匿生活に入ってしまうのであった。

制作協力:
OKMusic

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