乃木坂46 梅澤美波、なぜ「空扉」でセンター抜擢? “挑戦の季節”を乗り越え開くグループの未来

 乃木坂46が8月8日、21枚目となるシングル『ジコチューで行こう!』を発売。表題曲のセンターを務める齋藤飛鳥に加え、とりわけ注目が集まっているのが、今回初選抜となった3期生の岩本蓮加と梅澤美波だ。

乃木坂46『ジコチューで行こう!』 (TYPE-D)

 なかでも梅澤は同楽曲で、“裏センター”と称される2列目中央のポジションに選出。これは、前作「シンクロニシティ」において生駒里奈が割り当てられ、彼女の卒業後に当時アンダーメンバーだった梅澤が引き継いだのと同じ立ち位置だ。今年5月に『アンダーライブ全国ツアー2018 ~中部シリーズ~』を開催した際、梅澤はスケジュールの都合で同公演を欠席していることを踏まえると、今回の選抜入りはまさに大抜擢といえる。

 そして、梅澤にとって最大の挑戦ともいえるのが、カップリング曲「空扉」で単独センターに抜擢されたことだ。昨年夏に発表された「逃げ水」では、大園桃子と与田祐希がダブルセンターを務めたことはあったが、3期生が単独センターを務めるのは今回が初となる。

乃木坂46 『空扉』Short Ver.

 そんな「空扉」のMVからは、フロントポジションを左から順に、大園、与田、梅澤、山下美月、岩本の3期生選抜メンバー5名が担当し、その後ろを白石麻衣や西野七瀬をはじめとする先輩メンバーが支える構図が確認できた。また、サビのダンスでは、梅澤が腕を前に伸ばすと同時にメンバー全員が前へ振り向くことで、“扉が開いていく様子”を表現。彼女の良さである高い身長を活かした振り付けといえるだろう。あわせてドラマパートでは、宇宙航空学校を舞台に、宇宙飛行士候補者を目指す3期生メンバーらが切磋琢磨する姿を描写。彼女たちを熱くサポートする講師陣や教師役に、先輩メンバーの秋元真夏や松村沙友理らが扮しており、登場人物らの関係性や役どころは、実際のグループ内における交友関係やキャラクターとリンクしているように受け取られる。そのなかで特に注目すべきは、劇中で姉妹関係にある梅澤と白石の間柄だろう。

 彼女たちの関係を語る上で特に印象深いのが、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で行われた「乃木坂バレンタイン2018」での一幕だ。この企画は、3期生がそれぞれの想いを寄せる先輩メンバーにプレゼントを渡すもので、その際に梅澤は白石に告白。その理由を、白石の参加する握手会に足を運び、彼女の画像を2年以上も携帯電話の待ち受け画面にしていたほど、“憧れの存在”だったためと語っていた。そんなグループ加入のきっかけであり、憧れの対象でもある白石が「空扉」のMVで梅澤の姉を演じるのも、このような経緯があってのことなのだろう。MVにおける白石とのやりとりは、劇中の妹としてだけでなく、これまで彼女との共演機会が少なかった梅澤にとっても大きな意味を持ち、感慨深い出来事となったに違いない。

 そんな梅澤が「空扉」でセンターを担う理由のひとつに、彼女が3期生メンバーの精神面を大きく支えていることが挙げられる。特に印象的なのが、昨年5月に開催された『三期生単独ライブ』において、大園が「君の名は希望」のピアノ伴奏に挑戦した際、毎日の練習でひどく悩みを抱えていた彼女を親身に支えたのが梅澤だったことだ。大園はライブ後に更新したブログで「ずっと隣で見てくれてるみなみん(=梅澤)は悪いところはちゃんと注意してくれて、ずっと心配してくれてたくさん助けられました」と綴っており、梅澤の仲間を想う優しさを伺える(参照:『ウィスパー。大園桃子』)。

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