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矢野利裕のジャニーズ批評

NEWSが新作『QUARTETTO』で見せた音楽的可能性 従来ポップスをフロア対応型に?

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 NEWSの新作『QUARTETTO』が発売された。先行シングル曲「チュムチュム」の衝撃については以前本連載で詳しく書いたが、本作には、それ以外にも印象的な曲が並んでいる。

 1曲目「Theme of “QUARTETTO”」は、ヴォコーダーで加工された声やヴォイス・サンプルがふんだんに使用され、エレクトロニックかつポップに本作のオープニングを飾る。前曲を引き継ぐようにヴォコーダーの声で始まる「QUARTETTO」は、シンフォニックなシンセサイザー音とハードなダンスビートが、LMFAO「Party Rock Anthem」のようなイケイケのEDMを想起させる。しかし、サビではメンバーの歌が強調されるので、全体としては、ハードなダンスミュージックというよりもポップスとして聴くことができる。同じようなバランス感覚は、続く「ANTHEM」でも維持されている。FIFAクラブワールドカップ2015のテーマソングでもあったこの曲は、基本的に歌モノなのだが、その一方でEDM要素も強く、とくに後半のブレイク部分は、それこそやはり「Party Rock Anthem」のようなシンセ・フレーズが鳴らされる。また、サビ後にはサッカーの応援を意識して「ウォーウォー」と叫ばれる。大型スタジアムで「ウォーウォー」と合唱できる「ANTHEM」という曲は、結果的にフロアライクなポップスになっている。次の「シリウス」は、薄くアコースティックな音色も入っていて、先の2曲に比べると若干ポップス色が濃い。しかし、やはりビートは太く、クラップ音やシンセサイザー音も効果的に使われていて、ダンスミュージック要素が強い。

 このように本作は基本的に、ダンスミュージックをポップスとして聴かせるアルバムである。もちろんこのこと自体は、現在のポップスであれば当然の性格なのだろうが、本作はそのなかでもEDMへの意識が強く、と同時に、歌への意識も強い。「シリウス」に続く「Touch」も、EDM的なダンスミュージックには違いないのだが、パーカッションやホーンのようなサウンドも入り混じって、やわらかい印象である。オープニングから「Touch」は、ダンスミュージックからだんだんとポップスになっていくようで、そのグラデーションが気持ち良い。バキバキなEDMとポップなメロディが見事に共存する「Touch」は、アルバムのひとつのハイライトである。強いビートのなかでも気負いなくさらりと歌えてしまうのは、もしかしたらNEWSの素敵な特徴なのかもしれない。

     
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