>  > KIRINJIがライブで獲得した身体性

『EXTRA 11』リリースインタビュー

新体制となって2年、KIRINJIがライブを重ねて到達した音楽「今はそれぞれのメンバーがフィーチャーされるものにしたい」

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 「キリンジが6人組になる」——多くの音楽ファンを驚かせたそのニュースから早2年が経つ。名前をカタカナから英字の〈KIRINJI〉と改め、新体制後初のアルバム『11』発売、ライブツアーに加え、坂本真綾や宇多田ヒカルのトリビュート・アルバムへの参加、シングル「真夏のサーガ」発売、さらにこの夏は数々の夏フェスへの出演と、ほとんど休むことなく精力的に活動してきた。とりわけ目立つのがそのライブの多さだ。

 緻密で密室的な完成度の高い作品を作り続けてきたキリンジから、ライブ・バンドKIRINJIへ。今回発売された『EXTRA 11』は、まさに現在のKIRINJIの魅力が詰まった作品だ。全曲新アレンジで行われたBillboard Live TOKYOでのライブ音源をもとにポストプロダクションされた本作は、かつてのキリンジの緻密さと、現在のKIRINJIの高い身体性を合わせ持つ。今回初めてのインタビューとなるリアルサウンドでは、リーダー・堀込高樹と、ギター・弓木英梨乃、ピアノ・コトリンゴの3人に、新体制になってからの2年と、『EXTRA 11』についてじっくりと話を聞いた。

宇多田ヒカルのトリビュート・アルバムでだまされた?

——KIRINJIが新体制になって、もう2年も経つんですね。今年は夏フェスにも積極的に出演されて、6人体制がすっかり定着した感じがします。

堀込高樹(以下、堀込):最初は手探りで始まった感じでした。みんな新しい環境で知らない人たちと演奏するっていうのは、精神的負担というか、気軽なことではなかったろうなと。でも2年間、レコーディングをしてライブをこなして打ち解けてくると、演奏も自然にこなれてくるようになってきました。

コトリンゴ(以下、コトリ):それはすごく感じています。始まった当初は私だけリズムが走っちゃったり、コーラスが合ってないんじゃないかって気にしていたんですけど、みんなのことを信頼して楽しめるようになると、リズムが一緒になってきた一体感を覚える瞬間があって。

堀込:ワンツアーやったあとに、坂本真綾さんのトリビュート盤で「うちゅうひこうしのうた」をレコーディングしたんですね。コトリさんがメイン・ボーカルで、メンバー全員の複雑なコーラスを入れたんですけど、本当にナチュラルな演奏が録れました。ツアーをやってひとつ大きな山を超えたって実感できたレコーディングでしたね。

——弓木さんも、KIRINJIが参加した宇多田ヒカルさんのトリビュート・アルバムで「Keep Tryin'」のボーカルを執られたりと大活躍でしたね。

弓木英梨乃(以下、弓木):あの……私、だまされたんです。

——え、だまされた?(笑)

弓木:みんなで歌おうって話だったんですけど、ツアー中で日程が合わなくて、私が最初にひとりで高樹さんのおうちのスタジオに行ったんです。そこで歌を録って、ここにみんなの声をかぶせるって言われてたんですけど……。

コトリ:あはは、だまされてる(笑)。

堀込:違う違う、だましたんじゃないって(笑)。あの歌詞で男性の声はいらないなと思って。40過ぎたおっさんたちが、「お父さんkeep trying, trying」とか歌うのは、さすがにないなと思って。

弓木:でも、私は小中高と宇多田さんを聴いてきた世代なので、結果的にはメインで歌わせてもらって、すごくうれしかったです!

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