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市川哲史の「すべての音楽はリスナーのもの」第10回

KISSが日本の音楽に与えた影響とは? 市川哲史が「ももクロ vs KISS公演」を振り返る(KISS目線ver)

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 これまでKISSが日本のロック文化に多大な貢献をしてきたのは、歴史的事実だ。

 白塗りメイクにハイブーツ。怪獣やら宇宙人やら猫やらのコスチューム姿。長い舌が三つに折れ曲がるばかりか、演奏中に口から流血したあげく火を吹くベーシスト。やたら花火や火柱が盛大な特効ステージ。巨大な猫と共に空中に浮上するドラムセット。燃え上がるギター。そして、ギンギラギンに電飾が輝く巨大なKISSロゴ。

 このギミックギミックまたギミック満載の初来日武道館ライヴは、なんとNHK総合で土曜の夕方全国放送されるまでに至る。たしか高校2年だった私は、部活を終えたその足で弟が入院する小児科病棟に直行。病室のTVから目が離せない私以上に、ギミックに興奮しすぎた小学校低学年の弟の体温が2℃上がり、ちょっとした騒動になった。

 そう、KISSとはプロフェッショナルな<子供騙し>ロックだったのだ。

 楽曲だって爆発的にシンプルで、『セサミ・ストリート』や『タワーリング・インフェルノ』でしか見たことがない米国消防士のヘルメットをかぶり、サイレンが鳴る中ポールが唄うのは「ファイアーハウス」。まんまだよ。

「毎日が徹夜でロックンロールだったらなー」とか「俺の●●●は地獄より熱いぜー」とか「俺と別れるなんてハードラックな女だねぇ」とか、ひたすら能天気で単純明快な歌詞は中学生にも解読できる。リフが主役の、黒人音楽の影響を一切感じさせない直線的なサウンドも、決して技術的に難解ではないメロディアスなツイン・リードも、すべてがわかりやすいのだから、そりゃ愉しい。

 70年代中期、『ミュージックライフ』誌による新ロック御三家<クイーン+エアロスミス+KISS>キャンペーンが、新たな洋楽リスナーを開拓したのは言うまでもない。

 中でも、珠玉の<子供騙しロック>で我が国の洋楽ロック人口の低年齢化に著しく貢献したのが、KISSだ。いきなりツェッペリンじゃ敷居が高すぎる一般小中学生にとって、最適のロック入門篇だったのである。

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