SCREEN modeが見据える音楽の可能性とは?「流行とは対極のむき出し感で人の心に残りたい」

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 売れっ子作曲家/プロデューサーという肩書きを有しながらも、かつてバンドで夢を追いかけていた思いをあたためて続けていた男と、声優として長いキャリアを持ちつつ、“歌いたい”という熱い思いを隠しきれなかった男。ふたりの想いが重なって生まれたSCREEN modeの音楽は、いいメロディ、いい歌詞、いいサウンドにひたすらこだわったストレートなものだからこそ、力強く響く。ファースト・ミニアルバム『NATURAL HIGH DREAMER』にこめた“夢の熱量”は、きっと多くの人の心を動かすはずだ。

「知らないジャンルでもとりあえず聴いて、その音楽の良さを自分なりに分析した」(雅友)

--SCREEN modeはたぶん“新人アーティスト”というくくりになると思うんですけども。知る人ぞ知る、それぞれ芸歴は長いですよね。

勇-YOU-:僕は5歳から子役と声優をやってるんで、芸歴26年です。昔から歌うことは好きで、専門学校で音楽を専攻していたこともあったし、ずっと趣味で音楽をやってたんですけど。たくさんの人の前で歌いたいという夢があったので、それが叶って良かったなとすごく思います。

雅友:僕は東京に出てきてから十何年、作曲やプロデュースをやってきて。自分が手掛けたアーティストがさいたまスーパーアリーナでライブをやったりとか、そういうところは見てきたんですけど、自分でやるとなると、意外と戸惑うことが多いですね(笑)。でも十代の頃は、僕もバンドで頑張っていたので。夢がかなったという感じです。

--いいですね。ふたりの夢がかなったバンド。

勇-YOU-:その通りでございます!

--勇さんは、ブラックミュージックがルーツだという話を聞いたんですけれども。

勇-YOU-:18、19歳の頃にR&Bが好きになって、スティーヴィー・ワンダー、日本だと久保田利伸、そういうアーティストの楽曲を聴いてました。同じ専門学校の一個上の人とユニットを組んで、夜中のクラブで歌っていた時期もありましたね。ただ小さい頃から歌は好きで、サザンオールスターズ、Mr.Childrenとかを聴いていたので、ブラックミュージックをルーツと言ったら大袈裟かもしれない。でもずっと好きですよ。今でも聴いてますし。

--雅友さんのルーツは?

雅友:僕はいろんなものが好きで、それこそスティーヴィー・ワンダーも好きですし、メタルのバンドもやってました。最初の入口はギターなんですけど、メタル系のギタリストでも、ジャズのミュージシャンを好きな人って多いんですよ。

勇-YOU-:へええ~。

雅友:サックスのフレーズをギターで練習してるとか、トランペットのフレーズをコピーしたとか、けっこういるんです。それで高校や大学の時にジャズやフュージョンも聴くようになって、ジャズやフュージョンは音楽的にいろんなところから来てるから、そうやってどんどん広がっていったということはありましたね。あと、僕はビートルズの良さがわからなかったんですよ、中学生ぐらいの頃は。のんびりした音楽だなと思ってたんですけど、ウォークマンでずっと聴いてるとだんだん良く思えてきて、今では大好きなんですよ。それが原体験になってるんですよね。だから作曲家になろうとしていた時期に、たとえば“ヒップホップ風のものを”というお題があった時に、知らないジャンルでもとりあえず聴いて、その音楽の良さを自分なりに分析したりとか。それが癖になってるんですよ。

--なるほど。

雅友:人って、自分の中にものさしがないものが来た時に、いいか悪いかの判断ができずに“よくわからない”で終わってしまうことがたぶんあると思うんですよ。そこを乗り越えようとする癖がついてるのかもしれない。

--勇さんは、声優のお仕事と、歌を歌うことは、分けて考えてます?

勇-YOU-:そうですね。声のお仕事は演じるというフィルターがあるんですけど、歌にはフィルターがないですから。声優の仕事とは全然違いますね。でもひとつ共通してるのは、声優でつちかった表現は歌に反映できてるかな?と思うので、まったく別ものではないです。ただ、僕が18、19歳でR&Bを聴き始めた頃は、フェイクとかやりまくって“歌がうまい俺はカッコいい”みたいな、そういうミーハーなところから入ったような気はするんですよ。それから10年以上たって思うのは、やっぱり歌詞の大切さだとか、音楽を見る観点が変わってきたと思いますね。メロディと歌詞は50%ずつだから、どっちもこだわっていきたいという話を雅友さんともよくするんですけど、音楽的な見方がすごく変わってきて、今ここでSCREEN modeをやらせていただくことによって、自分の言いたいことだけではなく、いろんな人の意見を聞きながらベストを尽くすことも憶えたし、すごく新しい経験になってます。いろんなことを考えながら音楽を深めていくという意識は、昔よりもすごく強くなったなと思います。

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