1stシングル『ラブギガヘルツ』インタビュー
コンセプトは「アキバの先っちょ」 歌い手×声優=末広アンテナは何を目指す?
ニコニコ動画の「歌ってみた」で人気を博しているボーカリストのななひらと、声優・ナレーターとして活動している有野いくによるアイドルユニット、末広アンテナが4月23日にシングル『ラブギガヘルツ』をリリースした。私立恵比寿中学への楽曲提供などで知られる作曲家、さつき が てんこもりがプロデュースを担当した同曲では、アキバ系アイドルのルーツである電波ソング的なサウンドに加え、ユルい彼女たちのキャラクターも魅力。今回リアルサウンドでは、末広アンテナにさつき が てんこもりを交え、結成までの経緯や「唐揚げ」「ソーシャルゲーム」など彼女たちがハマっているもの、将来の目標について語ってもらった。
――まず、自己紹介をお願いします。
有野:末広アンテナの、なんでも有野、どこでもいくちょんこと、有野いくです。よろしくお願いします!
ななひら:末広アンテナの……なんだっけ? ちょっと忘れちゃったんですけど、ななひらです! うさぎ飼ってます。めっちゃかわいいです。よろしくお願いします!
さつき:自己紹介を忘れるアイドルって初めて見た(笑)。作曲家のさつき が てんこもりです。よろしくお願いします。
――ありがとうございます(笑)。では早速ですが、末広アンテナはどういうユニットなんでしょうか?
有野:「アキバの先っちょ」をテーマにしておりまして、秋葉原をなんとなく歩いていたら「あっ、ここは末広町か」みたいな、ふと気づいたら、先っちょにいるよっていう、意味です。
――秋葉原から一駅ぶん歩いたというわけですね。
さつき:そうです。「アキバの先」っていうだけだと、ちょっと偉そうですけれども、そういう意味ではなくて、「なんとなく歩いていたら、ちょっと外れたところにいつの間にかいた」みたいなものが、最初のコンセプトにありました。
有野:いや、わたし的には打倒! 秋葉原でいきたいと思ってます!
さつき:なんでわざわざカドが立つ様な事を言うの!?(笑)
有野:え? だって秋葉原はもう盛り上がってるし、次は末広町だなと。もう、私たちが町おこしをしていきたいと思っています。
さつき:町おこしのためのグループだったのか(笑)。
ななひら:末広町のことそんなに詳しいの?
有野:…………うん(小声)。
さつき:詳しくないのか(笑)。最近は「アキバ系」とか「アイドル」と一括りにしても、色んなユニットが居ますが、そもそもの音楽的なジャンルがだんだん広がってきてるんですよね。だけどもともとアキバ系って、いわゆる「電波ソング」みたいな、かわいくてオタクっぽい曲だったと思うんです。そういう曲がだんだん減ってきてるので、もっとそういう曲をアイドルに歌ってもらいたいという気持ちがありまして。
――なるほど。メンバーの二人は、末広アンテナより前にどんな活動をしていたんですか?
有野:いえ、過去に活動とか全くしたことないんですよ。
ななひら:え? 活動してたでしょ?
有野:あー。そっか、してました。
スタッフ一同:え?
さつき:変な子達なんで、あんまり気にしないでください(笑)
有野:……えっと、もともと声優として活動していました。でもどっちかっていうとアニメの声優ではなく、ナレーション業を主にやってきたもので、アイドル活動としては、これが初の試みです。
――ななひらさんはどうですか?
ななひら:私はもともとニコニコ動画の「歌ってみた」で活動していたんですけど、まあ自分から顔を出して活動しようとは思っていなかったんです。だけど、さつきさんから企画をいただいて、顔を出すなら、今のうちにやっとくしかないなと思って、参加させていただくことにしました。
さつき:まあ二人とも、何らかの「アイドルっぽい」活動をしていたんだけど、でもしっかりアイドルをやっていたわけではない。そういうフワッとした感じが、今どきっぽくていいなあと思ったんですよね。しかもこの二人のもともとの活動は全然違うものなんだけど、でも専門的というわけでもなくて、何となく重なっている領域もある。そういうところもたまらなく今どきっぽくて面白い。逆に言うと末広アンテナで、彼女らの人生を賭けてやってもらいたいとかでもなくて、コンセプトからゆるふわ~っとしてるものにしていきたいなと思うんですよね。
――お二人は、さつきさんのコンセプトのどこが面白いと思ったのでしょうか。
有野:才能の塊みたいな人が周囲にいっぱいいるので、末広アンテナでの活動以外にもいろいろ勉強になりそうだなと思ってたんです。人として。
さつき:あなたは、急に難しげな事を言うよね(笑)。