4種類の「帝国のマーチ」を聴き比べ 『nwm ONE Star Wars edition』はスター・ウォーズファン必見必聴の出来栄え!

“耳スピ”というキーワードで注目を集めている「nwm(ヌーム)」のヘッドホン/イヤホンシリーズ。その原点ともいえるオープン型ヘッドホン『nwm ONE』に、『Star Wars edition』が登場した。
「スター・ウォーズ」は人気コンテンツだけあって、これまでも各社から様々なコラボレーションアイテムが発売されている。今回の『nwm ONE Star Wars edition』もそのひとつで、2027年の「スター・ウォーズ/エピソード4」公開50周年に向けた新たな取組みなのだろう。
その『Star Wars edition』には、ベースモデルと同様に『Light Gray』と『Dark Gray』の2種類がラインナップされている。ヘッドホンとしての仕様は同じだが、本体カラーとスピーカー部のアイコンが異なる。『Light Gray』は反乱軍モデルで、明るいグレーの本体にホワイトのペイントで『STAR WARS』のロゴ(左側)とXウィング(右側)がプリントされる。


一方の『Dark Gray』は帝国軍をモチーフにしたもので、ブラックに近いグレーの本体に、ロゴマークとTIEファイターがあしらわれている。ふたつのバリエーションを用意することで、『スター・ウォーズ』本編で描かれている「光と闇」、フォースのライトサイドとダークサイドをイメージしているそうだ。
今回このふたつの『nwm ONE Star Wars edition』を借用し、じっくり体験させてもらった。「スター・ウォーズ」ファンとしては製品が発表された時から気になっていただけに、取材機が届いた時点からもうワクワクが止まらない。


まず、『Star Wars edition』限定スリーブの採用が嬉しい。正面がデス・スター、背面がミレニアム・ファルコンという王道の選択もファンの期待を裏切らないし、印刷の仕上げも光沢感があって、箱も保存しておきたくなる。
それぞれのヘッドホンを取り出して並べてみた。デザインは既発売のモデルと同じだが、上記のようにさり気なく限定モデルの証があしらわれていて、特別感が漂っている。外出時に着けていても、これが『Star Wars edition』だと気がつく人は少ないかもしれない。でも、もし誰か気づいてくれたら嬉しい……そんな気分になってしまう。
なお『Star Wars edition』にはベース部にデス・スターをデザインしたヘッドホンスタンドも付属している。今回こちらも借用して組み合せてみた。スタンドの仕上げはやや光沢感が強めだが、ヘッドホンを乗せた時の収まりはいい。ヘッドホンの収納時に重宝する、嬉しい特典だ。


デザイン性は十分満足ということで、次に音を聴いてみる。その前に、もうひとつの通常モデルとの違いとして、特別音声ガイダンスを確認した。本体の電源オン/オフ時がXウィングのエンジン音、Bluetooth機器との接続がブラスター、接続解除がTIEファイターのエンジン音といった具合で(いずれも僕の推測)、これもファンには嬉しい気遣いだろう。なお、『Light Gray』『Dark Gray』ともガイダンスの音は共通だった。
ウォークマンとBluetooth接続し、ワイヤレスでの音を聴いてみる。まずはジョン・ウィリアムズ指揮/ロンドン交響楽団による「新たなる希望」と「帝国の逆襲」のサントラから。どちらもCDをMP3リッピングしたものだが、音場の広がりもあって聴き心地のいい音で楽しめる。低音の再現がやや軽く感じられるが、オープン型ということを考えるとなかなかのものだ。

「スター・ウォーズ」つながりで、「ジョン・ウィリアムズ ライブ・イン・ベルリン」、「John Williams in Tokyo」の音源も聴いてみる。こちらはCDをFLACでリッピングしていることもあり、音の厚みが増して、コンサート会場の雰囲気が再現される。それぞれの楽器もちゃんと聴き分けられるなど、音数も増えてきた。低音にも不満はない。
『nwm ONE』は12mmツイーターと35mmウーファーを同軸状に配置したドライバーを搭載しているが、音がひとつにまとまって鼓膜に届いてくるのはその恩恵かもしれない。なお左右のスピーカー部分は角度の調整が可能で、スピーカーがきちんと耳の穴に向いていないと音が小さく感じたり、バランスが悪くなってしまう。『nwm ONE』の使いこなしとして、ここは必ず調整しておきたい。

さて、今回は試聴機を1週間ほど借用できたので、外出時にも『nwm ONE Star Wars edition』を使ってみた。オープン型なので、駅のアナウンスや周囲の雑音は入ってくるが、それでも常に音楽と一緒に過ごしているという体験が可能だった。試しにウォークマンの音量を70〜80%まで上げてみたが、音漏れがしているような反応はなかった。
これはPSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術のおかげ、スピーカーから耳に向けて音を放射し、同時にドライバー部のスリットから位相を180度反転させた音を放射して音漏れを打ち消している効果だろう。それもあって、電車やバスで隣に座った人に迷惑をかけないで音楽が楽しめたというわけだ。

さらに自宅リビングでも試してみたが、音楽を聴きながらの会話も問題なく可能だった。さすがに家族がテレビを見ていると、その音が耳について音楽に集中できなかったが、静かな環境ならリビング試聴もありだろう。『nwm ONE』は185gと軽量だし、長時間つけていても気にならないというメリットも大きい。
もうひとつ、USB有線接続も試してみた。『nwm ONE』にはUSB-C端子がついているが、ここに再生機をつなげば有線での音楽再生も可能だ。USB-Cケーブルでウォークマンとつなぐと、ウォークマンの画面に「nwm MBH001のアクセスを許可しますか」というメッセージが出るので、ここで「OK」を押せばいい。
有線接続にすると、わずかながら音場が静かになって、音の粒立ちがさらに細かくなった。音楽としての情報量も増えている。Bluetooth再生ではAACコーデックを使っていたが、そういった処理をパスできることで、音の純度・鮮度が上がったのだろう。ケーブルが気にならないという方は、ぜひ有線接続を試していただきたい。

『Star Wars edition』である以上、「帝国のマーチ」を聴かないわけにはいかない。今回は「帝国の逆襲」のサントラをAmazon MusicとMP3リッピングで、さらに「〜ライブ・イン・ベルリン」「〜in Tokyo」の演奏をFLACリッピングで、順番に再生した。
音の違いを感じ取れるか、「スター・ウォーズ」ファンにとってはフォースの修行のようなもの。日頃の修練の成果(?)というわけではないが、違いはしっかり分かった。Amaozn MusicとMP3リッピングは軽快な演奏という印象で、音の輪郭がくっきりして、低音を強めに押し出してくる。ある意味でわかりやすいメリハリのついたサウンドだった。
「〜ライブ・イン・ベルリン」は演奏の腰が座って、低音の安定感もぐっと増している。管楽器や弦楽器の余韻も豊かで、臨場感が出てくる。ベルリン・フィルハーモニーらしい、力強さを持った演奏が楽しめる。
一方「〜in Tokyo」では、テンポがややゆったりとなり、音場の広がりが豊かになる。自然なステージ感を再現している雰囲気だ。低音の押し出しや力強さは「〜ライブ・イン・ベルリン」より抑えめだが、その分ひとつひとつの楽器の表情が感じられる。

ベルリン・フィルとサイトウ・キネンというオーケストラの違い、それぞれの演奏の持ち味を楽しめるという意味では、『nwm ONE Star Wars edition』の再現力は折り紙付。外出時から家の中まで快適な音を楽しめるアイテムとして、「スター・ウォーズ」ファンに限らず注目して欲しい製品だ。唯一の問題は『Light Gray』と『Dark Gray』のどっちを選ぶか、かな。
◼︎製品概要、参考資料
・商品名:オープンイヤー型 オーバーヘッド 耳スピーカー
・型名:『nwm ONE Star Wars edition Light Gray』『nwm ONE Star Wars edition Dark Gray』
・価格:4万4000円(税込)
https://nwm.global/pages/starwars
https://nwm.global/products/one-sw-dg























