ビエラが2025年新製品5シリーズ15モデルを一挙投入。 有機EL『Z95B』シリーズは6年ぶりにフルモデルチェンジ

パナソニックは、2025年度のビエラ新製品を2025年6月から発売する。有機ELテレビ『Z95B』『Z90B』と、液晶テレビ『W95B』『W90B』『W80B』の全5シリーズ、15モデルというラインナップだ。以下でそれぞれの特長を紹介したいと思う。
まず有機ELビエラのフラッグシップとなる『Z95B』シリーズには、新世代「プライマリーRGBタンデム」有機ELパネルが採用されているのが一番の特長だ。
最近の量販店店頭では、画面サイズの大型化が進んでいることもあり、Mini LEDバックライト液晶テレビが注目を集めているが、パナソニックでは画質の面では有機ELパネルに優位性があると考えているようで、今回もフラッグシップシリーズには最新の有機ELを採用、独自の放熱構造を進化させて、パネルの実力を最大限に引き出している。

「プライマリーRGBタンデム」有機ELパネルの採用で、高画質要素を改善
その「プライマリーRGBタンデム」有機ELパネルについて解説すると、「赤/濃い青/緑/濃い青」の4つの有機EL発光層を重ねることで、従来の方式(『青/黄色/青』の3層構造)よりも明るく、色鮮やかな映像が再現できるという。
そもそも有機ELテレビは、有機ELパネルからの光(白色)を、カラーフィルターを通すことでカラー映像として表示している。「プライマリーRGBタンデム」有機ELパネルも白色で発光するのは同じだが、白に含まれるRGBの成分が上がっているとかで、フィルターを通して取り出せる色も純度の高いそうだ。つまり、パネルが新しくなったことで、輝度と広色域という画質にとって重要な要素が揃って改善されたわけだ。

自然な空気の流れを生かした放熱機構も進化
また『Z95B』シリーズでは、独自のバックカバー一体型放熱プレートと、新開発の放熱構造「サーマルフロー」を追加し、パネルの熱を素早く逃がすことに成功、発光性能をさらに引き出している(65/55インチのみ)。
「サーマルフロー」は、シャーシの内側に空気の通り道を作って熱を逃がす冷却(空冷)技術で、新製品では筐体内の基板やスピーカーユニットの配置も変更して、スムーズな空気の流れを実現している。そこでは、レーシングカーの設計などでも使われている、空気の流れをコントロールする「エアロダイナミクス」技術を応用したそうだ。
映像に合わせて、音質も強化されている。画面下側には正面を向けたラインアレイスピーカーを、左右側面と上部にはそれぞれワイドスピーカーとイネーブルドスピーカーを搭載、リアパネルの上寄りにサブウーファーも取り付けられており、迫力ある立体音響が楽しめる。イネーブルドスピーカーは昨年モデルよりも左右の間隔が広げられたとかで、広大な音場再現に一役かっているようだ。

高輝度有機ELパネルの実力を生かした『Z90B』シリーズ
もうひとつの有機ELテレビ『Z90B』シリーズは、65/55/48/42インチをラインナップする。こちらは従来タイプ(3層構造)の最新世代高輝度有機ELパネルを採用、パネル内部の配線構造を刷新したことで発光性能が向上、さらなる高コントラスト化を実現している。
音質面では前向きスピーカーを使った2.1chシステムを搭載する。サブウーファーの出力が30W(昨年は20W)にとなり、パッシブラジエーターも4基を対向配置して低音再現性を強化している。ドルビーアトモスのバーチャル再生にも対応済みとのことだ。

Mini LEDバックライトもさらに進化。大画面液晶テレビの新しい画質標準を作る
液晶ビエラのトップモデル『W95B』シリーズは、Mini LEDバックライト液晶パネルを搭載し、65インチではエリア駆動の分割数が昨年の約2.5倍に細分化された。これにより、元の絵柄に近い状態でのバックライト制御が可能になり、同時に光漏れも抑えられるので、いっそうコントラスト再現に優れた映像が再現できるようになった。
またバックライトの点灯時間などによってパネル自体の色温度が変化することもあるが、そこについてもリアルタイムに把握・補正できるアルゴリズムを採用したそうだ。これによって常に正確な色を再現できるとのことだ。

手の届きやすい4K液晶ビエラも豊富に揃えている
液晶テレビの『W90B』シリーズは直下型高輝度LEDバックライトを搭載したシリーズで、65/55/50/43インチの4サイズを準備している。さらに4K液晶テレビのスタンダードモデルが『W80B』シリーズで、こちらは50/43インチの2モデルをラインナップする。
スピーカーは、『W95B』シリーズが2.1chシステムを搭載(実用最大出力50W)。サブウーファーの採用により、迫力ある低音が楽しめるそうだ。『W90B』と『W80B』シリーズはどちらも2chシステムで、それぞれ実用最大出力30Wと20Wのアンプを搭載している。

Fire TV OSの搭載により、放送から配信までシームレスに楽しめる
なお今回のすべてのモデルには、新世代「HX PRO AI」映像エンジンが投入された。映像のシーンを判別して最適な画質に調整してくれる「オートAI画質」などの機能はそのままに、新たに「ダイナミックディテールエンハンサー」機能が追加されたことで、よりくっきりとした、解像感溢れる映像を楽しめるようになっている。
もうひとつ、Fire TV OSを採用しているのも全モデル共通の特長だ。同社によると、放送と配信サービスといったプラットフォームの違いを意識することなく好みのコンテンツを自由に選べるという点が好評だそうだ。Prime Videoの作品をクリエイターの意図に忠実に再現する「Prime Videoキャリブレーションモード」も用意されている。

商品名:4K有機ELテレビ
型名:『TV-65Z95B』『TV-55Z95B』『TV-65Z90B』『TV-55Z90B』『TV-48Z90B』『TV-42Z90B』
発売日:6月下旬
価格:市場想定価格53万円前後、市場想定価格38万円前後、市場想定価格41万円前後、市場想定価格29万円前後、市場想定価格27万円前後、市場想定価格26万円前後(すべて税込)商品名:Mini LED 4K液晶テレビ
型名:『TV-75W95B』『TV-65W95B』『TV-55W95B』
発売日:6月下旬
価格:市場想定価格38万円前後、市場想定価格30万円前後、市場想定価格24万円前後(すべて税込)商品名:4K液晶テレビ
型名:『TV-65W90B』『TV-55W90B』『TV-50W90B』『TV-43W90B』『TV-50W80B』『TV-43W80B』
発売日:6月下旬
価格:市場想定価格24万円前後、市場想定価格20万円前後、市場想定価格17万円前後、市場想定価格16万円前後、市場想定価格15万円前後、市場想定価格13万円前後(すべて税込)
参考資料
https://panasonic.jp/viera/






















