良質な“ソニーブランドの塊”を持ち歩ける『Xperia 1 VII』のすごさ 充実の音・カメラ・ディスプレイを沖縄旅で堪能してみた

良質な“ソニーブランドの塊”を持ち歩ける『Xperia 1 VII』のすごさ 充実の音・カメラ・ディスプレイを沖縄旅で堪能してみた

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。第67回は、2週間前に東京国際フォーラムAのステージに立ち、いまだにその際のことを思い出しては枕に顔を埋めて叫ぶ中村がお送りします。

 緊張感ある舞台を終えた私は1週間後の先週末、沖縄に降り立ちました。リラックスするための旅行、と言いたいところですが……バリバリの出張です。

 今回の沖縄出張の目的は大きく分けて2つ。世界遺産の中城(なかぐすく)城跡で行われている、最先端技術を用いた光と映像・音が融合したナイトウォークイベント『LIMISA NAKAGUSUKU』の取材と、最新スマートフォンのレビューです。

 前者に関しては追って&別記事で詳細をレポートしますが、後者のスマートフォンはソニーが6月上旬に発売予定の『Xperia 1 VII(エクスペリア ワン マークセブン)』。話題の最新機種を一足先にお借りしたわけです。

『Xperia 1 VII(エクスペリア ワン マークセブン)』
『Xperia 1 VII(エクスペリア ワン マークセブン)』

 今回の新たなXperia、実は事前に別の体験会で一通り触ってきたのですが、その際に感じたのは「カメラの良さ」「音の良さ」「ディスプレイの良さ」の3つでした。それもそのはず、それぞれαシリーズ、WALKMANシリーズ、BRAVIAシリーズとソニーが誇る名機を生み出してきたチームが開発に携わっているとのこと。

 そもそもボディも高級感があって好みですし、純正のケースもデザインが良く、カメラユニット部分の段差が完全に無くなる精巧な作り。ポケットへの出し入れ時にカメラが引っかかる、なんてことも発生しないのは好印象で、収納式のスタンドやスマホリングを使うこともでき、これは後述する場面で大いに活躍してくれました。

『Xperia 1 VII(エクスペリア ワン マークセブン)』純正のスマートフォンケース
『Xperia 1 VII(エクスペリア ワン マークセブン)』純正のスマートフォンケース

 まずは出発前に試した「音」のレビューから。体験会ではビリー・アイリッシュ「Birds of a Feather」、藤井風「まつり」、Ado「新時代」を聴きましたが、今回はビリー・アイリッシュ『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』、星野源『Gen』、ヨルシカ「火星人」をチョイス。試聴環境も慣れた機器でということで、有線イヤホンとして愛用しているqdcの『SUPERIOR』を使用しました。

『Xperia 1 VII』とqdcの『SUPERIOR』
『Xperia 1 VII』とqdcの『SUPERIOR』

 驚いたのは過剰にどこかが持ち上がっている感じがなく、バランスよく各帯域が聴こえるうえで、高域・低域のディティールがはっきりとしていること。ビリー・アイリッシュ「bury a friend」のリバービーなコーラスやスーパーローの重低音、星野源「Glitch」のルイス・コールのドラムと歌のバランス感、ヨルシカ「火星人」のギターリフが空間ごと鳴っている感じがラージスピーカーのように正確かつ豊かな音として味わえるのは大変満足しました。高音質専用のはんだ(最新版では金を添加)や非磁性銅メッキの高純度抵抗を採用したオーディオジャック、回路設計レベルでのオーディオチューニングなどが“WALKMANクオリティ”であることによる部分も大きそうです。

 さらにイヤホンなしでスピーカーの状態で聴いても音が良いのも面白い。サウンドチューニングにはニューヨークの名門・バッテリースタジオが関わっており、こちらはスマホスピーカーで聴いた際に起きがちな中域のガチャガチャした感じがあまりなく、個々の楽器の音がある程度立っているし、空間的に鳴っているように聴こえました。

 音とディスプレイをレビューするからには、映画などを見るのもいいかもしれないと思い、飛行機内では『Xperia 1 VII』+qdc『SUPERIOR』で映像作品を楽しむことに。1~120Hzの可変リフレッシュレートに対応したディスプレイ、120Hz駆動時に1コマごとに黒い画面を差し込む残像低減機能付き240Hz駆動機能などのおかげもあってか、ハッキリとそれぞれの色味(特に暗い色の表現)が際立ち、映像の臨場感をさらに高めてくれました。ちなみに行き帰りの機内で見ていたのは『ANORA アノーラ』と『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』と『アポカリプスホテル』。対局のような映画2作+アニメという雑食ラインナップで恐縮です……。

 さて、カメラのレビューへと移りましょう。『LIMISA NAKAGUSUKU』はナイトウォークイベントなので、夜間の撮影性能が試されるところ。とはいえまずは日中の中城城跡を撮影してみます。

 元々持っていたスマートフォンで撮影した写真と見比べてみました。まず率直に感じたのは補正の効き具合の差。元々持っているスマホのほうは色味が少しビビッドに補正されていますが、『Xperia 1 VII』は肉眼で見た景色を忠実に映しているように感じました。また、直近のハイエンドスマホにありがちな「ソフトウェアの補正が効きすぎて遠くのものが歪んで・潰れて見える」現象を『Xperia 1 VII』はかなり抑えられている印象。言い方は気をつけなければいけませんが「ウソの少ない写真」が撮れるということ。これは人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんが……僕は好きです(誠実な人間なので)。

岩に貼ってあるラベルが変な潰れ方をしていない点に“ごまかさなさ”を感じる
岩に貼ってあるラベルが変な潰れ方をしていない点に“ごまかさなさ”を感じる

 冗談はそこそこにして、夜の撮影へと挑みます。『LIMISA NAKAGUSUKU』は約50分の体験型ナイトウォークとなっており、一の郭・二の郭・三の郭の三部構成です。いずれも映像や光の演出だけではなく、SoVeCの最新立体音響技術が活かされており、最先端デジタル技術を用いて映像と連動することにより「ただ見るだけ」ではなく「音による空気の振動が相まったリアルな体験」へと質を上げているのが肌で感じられました。これが世界遺産の石積みの壁、つまりは考えうる限り最上級のスクリーンに映されているという事実もまた感動的です。

こんな石積みの城壁が
こんな石積みの城壁が
めちゃくちゃデカいスクリーンになった。
めちゃくちゃデカいスクリーンになった。

 特に三の郭でのスピーカー35台(ウーファー7台)プロジェクター9台による立体音響とプロジェクションマッピングの演出が凄まじい。写真で見ても十分すごいのですが、実際に肌で味わうと、音の中に埋もれるーー没入する体験がより深いものとなり、引き込まれていくような気持ちになるのです。このあたりも詳細はレポート記事にてお伝えすることにしましょう。

 ちなみに撮影した写真はこちら。全く補正をかけていない(すべてJPEGの撮って出し)にも関わらず、カラフルな照明がパキッと写っていたり、様々な色が混ざっているのに色飛びがあまり発生していないのは流石の一言。『Xperia 1 VII』はウルトラHDRに対応していることや16mmカメラに1/5.6型の大型センサー(前モデルのなんと2.1倍!)が搭載されたことなどもあり、超広角で撮影しても情報量の多い写真を撮ることができました。

 翌日は天気が不安定なこともあり、海沿いではなく南城のほうへ足を伸ばし、『ガンガラーの谷』などでガジュマルや鍾乳洞の写真を撮りまくりました。

 複雑な明るさの場所もしっかり撮れるだけではなく、トンネルの中の写り具合などが肉眼に近いニュアンスで残っているので、その際の光景を鮮明に思い出すヒントにもなってくれます。

 このように、数日間にわたって様々な用途で使用し「これをメインのスマホにしたい」という感情が芽生えてきたところでタイムリミット。泣く泣く返却の手続きをしながらこの原稿を書き上げています。ソニーグループの技術の結集といえるくらい、各ブランドのノウハウが詰まった『Xperia 1 VII』。ブラウジングやニュースを見るだけ、メッセージのやり取りをするだけならオーバースペックになるかもしれませんが、旅に音楽に映画にと趣味を楽しむ・仕事にする方にとって、最良のパートナーになってくれる一台といえるでしょう。

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