マクドナルド社員から東海オンエアのバディへ 多様なバックボーンを持つスタッフが活躍するUUUMの企業文化とは?

面白い“エンタメ”として成立させる裏側の苦労
ーーバディの仕事で大変なところはどのようなことですか?
能村:現在自分が関わっているコンテンツは、10代や20代前半の若い層をターゲットにしたものが多く、そのテンションを若年層の視点に合わせていかないと、すぐに取り残されてしまう感覚があります。バディとして関わる以上、とりあえず理解をする姿勢が必要で、私自身も根本的にエンタメやカルチャーが好きで楽しめているからこそ、バディの仕事ができていると感じています。
また、視聴者が“エンタメ”として楽しめるための苦労や大変さも感じています。たとえば、「 【夢叶う】肥料の材料がうんこなら『うんこだけ』で育てた野菜は栄養パンパンなんじゃね!?」というぶっ飛んだコンセプトの動画に協力させられたときは喜んで協力しましたが、大人としてはすごく抵抗感がありました(笑)。
この時は「企画の面白さってなんだろう」「どこまでが笑えるラインなんだろう」というのをすごく考えさせられましたね。単純に、クリエイティブで自由な現場とは言い切れない大変さも、裏ではたくさんあるんですよ。
クリエイターの視点に立って「何が面白いのか」を基準に判断し、ときには前に出る選択もしています。ファンから声をかけられ、写真やサインをお願いされたら対応しているのは、裏方だからと割り切って断るのも“自分都合”だと思うからです。
逆に、前に出ることでマイナスになるようであれば身を引くべきで、本当にケースバイケー スで一概に正解やルールがあるわけではないからこそ、個々の状況に応じた見極めが大事になってきますね。
クリエイターとの信頼関係づくりで大切なのは「自分の武器を持つこと」
ーーまさに、すごく絶妙なバランスの上で成り立っているんだなと感じました。いろんな立場で仕事をされてきたからこそ、距離感の重要性や価値にも気づけたんでしょうね。
能村:そうですね。もし入社してすぐにバディに配属されていたら、おそらく続けられていなかったかもしれません。やはり、会社とクリエイターに対する双方の解像度が高くないと、バディとしてうまく立ち回るのは難しいと感じていて。私は専門職のスペシャリストタイプではなく、いろんな業務を広く経験してきたゼネラリストタイプで、結果的にバディのスペシャリストになれた感覚があります。
これまで、幅広く色々と経験させてもらえたおかげで、どんな突発的なことやトラブルが起きても、ある程度は冷静に対応できるようになったと思います。もし、クリエイターから「法人として人を雇いたい」と相談を受けた場合、自身の人事経験から、まず最初にクリエイター本人とじっくり話し、「何を目的にその人を雇いたいのか」というところまで突っ込んで確認しています。
そこで、人を雇う必要がないと判断すれば、そのことをはっきり伝えているんですね。収益面のことからプライベートの相談まで、クリエイターから色々なことを頼られるようになると、本当に“なんでも屋”のようになってくるんですよ。
ーークリエイターが「新しいことを始めたい」というアイデアが出た場合、まずは能村さんが内容を受け止めて「誰に繋ぐべきか、どんな準備が必要か」というのを整理できているからこそ、信頼関係ができていると感じました。
能村:でも最初の頃は「最近このゲームやってますか?」とか「好きな食べ物なんですか?」みたいな日常会話しかできなかったですね。それくらい、信頼を得て深い関係性を構築するのは難しいことだと思っています。
私はクリエイターとの信頼関係を築くうえで、まずは「自分の中で武器を持つこと」が大切だと考えています。社会人経験が浅かったり、新卒でまだスキルがない人ほど「僕はなんでもします」と言ってしまいがちです。でも、実際には“何もできない状態”で言っても、あまり意味をなさないことが多い。それよりも、「自分にはこういう強みがあります」というのを掲示できる人がバディに向いています。
「どのようにキャリアを作るべきか」という問いに対して、ゲームで例えるとわかりやすくて。ゲームにはジョブ(職種)とスキル(能力)がありますが、その組み合わせを戦略的に設計していく必要があると思っています。
たとえば、英語が話せるというスキルがあっても、それを評価してくれる場所にいないと、そもそも価値が見えにくいですよね。だからこそ、自分のスキルや強みが活きる環境に身を置くことも大事になります。
そういう点では、自分なりに戦略を持って挑戦できる人の方が強いですし、組織やクリエイター、クライアントの3方良しのメリットを提示できれば、やりたいことをやらせてもらえるのがUUUMの魅力だと思っていますね。
バディに求められる「覚悟」と「勇気」とは?
ーー他業種からの転職という文脈でも、自分の一芸を磨くというか、スペシャリスト的な素養が大切になりますか?
能村:専門領域を深めてきたスペシャリストがバディという立場になった場合、これまでのキャリアや思考を一度“手放す”覚悟が求められます。まだ20代なら柔軟に対応できるかもしれませんが、年齢を重ねるとなかなか勇気のいる決断ですし、できる人は本当に少ないと思うんです。
なので年齢に関係なく、自分は何の価値を提供できるかをしっかり言語化しつつ、もう一度ハシゴを登るなら若手の2〜3倍のスピードでやればいいと考えられるマインドを持つと、バディの仕事のキャッチアップも早いと思っています。
私の場合は「教育を通じて人を支えたい」という軸をずっと持っていて、エンタメという手段を通じて、世の中がハッピーになることを後押しする裏方がバディだと捉えてるんです。その価値観があるからこそ、バディとして自分なりに力を発揮できている理由のひとつになっていますね。
ーーゼネラリストとして経験を積み、そこからスペシャリストになったのは面白いキャリアを歩んでいると感じました。
能村:自分では、いろんな部署を転々としてきた「社内ジョブホッパー」だと思っていて。人事と広報を兼任していた時代は、本当に毎日が綱渡り状態だと言えるほど辛い時期でした。でも、自分の中ではマクドナルドで8年間、現場にコミットして働いてきた経験があったので「どこかでやれるはず」という自負もありました。
どの仕事に就いても職種に関係なく、自分の人生とどこまで本気で向き合えるか。仕事の経験をどんな糧にするかという視点を持ってる人とそうでない人では、3年後、5年後、10年後に見えてくる景色が全然違ってきます。
「苦労は買ってでもしろ」と言うと、少し古臭く聞こえるかもしれませんが、“苦労”をどのようにスキルや価値に変換できるかが重要なんです。もちろん、運も絡みますし、環境によって左右されることも少なくありませんが、だからこそ「自分の選択は自分で責任を取る」という意識が必要なのではないでしょうか。
会社と自分の“期待”が噛み合うことがキャリア形成で重要
ーー最後に、能村さんの考える今後のキャリア像についてお聞かせください。
能村:私は今までのキャリアで、自分で決めたことにコミットするという姿勢を一貫して重視していたのに加えて、「会社がどれだけ自分を必要としてくれているか」と、「自分がその期待にどこまで応えられるか」という両者のバランスを常に考えていました。それらが噛み合わなくなった時は、正直、自分の存在意義を感じにくくなるんですね。
とある会社の面接で「あなたがこの会社を辞めるとしたら、どんな時ですか?」という質問を受けたことがあり、辞める理由として3つの回答が思い浮かびました。
1つ目は、自分がその場で成長できなくなった時です。要は、自分がお荷物になってしまうと会社に迷惑がかかってしまうということです。2つ目は、会社から必要とされなくなった時です。「何でもやらせてください」と食い下がって懇願するのは、自分としても違うなと思ってしまうんですよね。
そして3つ目は、宝くじが当たった時。これはちょっと冗談めいてますが、自分の中では割とリアルな基準になっています。
今後のキャリアとしても、このままUUUMに在籍して、教育や人材育成といった自分が大事にしていることに関われるのであれば、それが一番理想的です。UUUMでのお仕事に興味を持った方は、ぜひ応募してみてください。























