毒親に受験生のメンタル問題…教育系パーソナリティ・葉一が『Voicy』でセンシティブな悩みに寄り添う理由

葉一が『Voicy』でセンシティブな悩みに寄り添う理由

「この言葉に救われました」Voicyの距離感が生む、お礼のメッセージ

ーーYouTubeでは葉一さんがどのような方なのかがわかるコンテンツで、Voicyはより身近に感じられるようなコンテンツなんですね。YouTubeのラインナップとVoicyでの配信内容にはどういう違いがあるのでしょうか。

葉一:もともとYouTuberではあるので、多くの方に向けたコンテンツはYouTubeでやろうと思っています。YouTubeを見てくれている子たちもVoicyを聞いてくれてはいるんですけど、Voicyってある悩みに対して私がキャッチボールを投げ返しているコンテンツなんですよね。

 YouTubeでは多くの人に共通する内容を取り上げているんですが、そのなかでもコアなファンの方がついてくださっていて、そういった方たちとの距離感にすごく気をつけています。私は相談にのる立場なので、視聴者と近すぎてもいけないし、遠すぎちゃいけないと思っています。子どもたちには“近所のおっちゃん”と思ってほしいんですけど、ちょっと頼りたいなと思ったときに、「登録者200万人もいるYouTuberだし」と敬遠されてしまう可能性もあります。なので、Voicyでは”気軽に相談できる人”という距離感を感じてもらえるような話し方に気をつけていますね。

ーーVoicyのコンテンツはYouTubeに比べ、悩み相談がメインになっていますよね。悩み相談でリスナーとの距離を近づけるというのが、Voicyでの戦略だったんですね。

葉一:そうですね。Voicyのコンテンツを作るために、Googleフォームで悩み相談を募集しているんです。YouTubeのコメント欄は全員に見えてしまいますが、そのフォームを記入するときには、ラジオネームなどを使って書けばいいので匿名性も高いし、私にしか見えないので悩みが重たいんですよ。コメント欄では書けないような深い悩みを相談できる場所として、Voicyのアカウントを運営しています。

ーー深刻な悩み相談が寄せられるというのは、Voicyを始めたときに想像されていたのでしょうか。

葉一:もともとメールの方には届いていたので、ある程度は送られてくるかなとは思っていたんですが、やればやるほど深い悩み相談の比率が上がっていくので、いまは予想よりも多いと感じています。

ーーYouTubeに比べVoicyの方が社会的な一面がより色濃く反映されているようですね。Voicyでは悩み相談、YouTubeでは勉強を教える授業コンテンツを作られていますが、VoicyとYouTube両方を使用することによってプラスになったことや活動において変化したことはありますか?

葉一:いわゆる毒親といわれるような親御さんから「生まなきゃよかったって毎日言われるんです」といった相談もくるのですが、そのトピックはYouTubeでは取り上げられないんですよ。少数ですが、動画のコメント欄に心無いことを書く人が出てきてしまうので、間接的に同じような悩みで苦しんでいる子たちを傷つけてしまう可能性があるんですよね。なのでYouTubeでは、受験生はどうやってメンタルを保てばいいかというような、より多くの人に共通する相談を取り上げているんです。それがVoicyを始めたことによって、センシティブな内容や私の思いを発信できる場所ができたので、自由度が増したと感じています。

ーーコメント欄の状態も企画内容に関係しているんですね。配信内容の自由度のほかに感じているVoicyの魅力、音声コンテンツの魅力はありますか?

葉一:相談にのっていると、月に1回程度、(カット)Googleフォームに「2021年の何月何日に応えてもらった〇〇です」「こういうコメントをもらって、それから2年、こういうこと頑張ってこうなりました。あのときのこの言葉に救われました」のようなメッセージがくるんですよ。その子のなかにはあの回の私の言葉がちゃんと残ってくれていて、ふとVoicyを聞いていてお礼を言おうとフォームに書いてくれるんですよね。これはVoicyのこの距離感だからこそ生まれているものなのかなと思っていて、印象的なところですね。

 なによりVoicyさんには感謝しかないです。めちゃめちゃ使いやすいんですよ。収録だったり、配信する上でもストレスなくやらせてもらっていて、本当に感謝しています(笑)。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる