職場でも“マシンじゃないコーヒー”が飲みたい! アウトドア&トラベル向けコーヒー器具3点を買って飲み比べてみた

職場でマシンじゃないコーヒーを飲みたい!

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第57回は、コーヒーのハンドドリップにハマっている山本が、“職場でマシンに頼らずおいしいコーヒーを淹れるには?”をテーマに、気になったコーヒー器具を3点をご紹介します。

“淹れている瞬間”が何より愛おしい……

 圧倒的な手軽さと高品質っぷりを両立するコーヒーマシンや、近年格段に進化を遂げたコンビニコーヒーも素晴らしいのですが、自分で選んだ豆を手ずから淹れるひと時というのはかけがえのないもの。

 あえて手間をかけることで得られるあの充実感を、どうにかして編集部内でも味わえないものか。欲を言えばデスクの引き出しからサッと出して、使えて、しまえるようなスマートなアイテムはないものか……。ということで今回は、アウトドア用やトラベル用として販売されているコーヒー器具を購入し、使い勝手や味を比較していきたいと思います!

 ちなみに、コーヒー豆の計量と抽出時間の計測には「chill coffee」のコーヒースケール「CSC241」を使用しました。「計量はともかく時間計測とな?」と思ったかもしれませんが、お湯の注ぎ始めから抽出終了までの時間を測っておくと「今日のコーヒーはイマイチだな。ミスったか?」という瞬間が減らせるのでオススメです。

 また、昨今YouTubeなどで「コーヒー レシピ」と検索するとさまざまな淹れかたが紹介されています。その多くが注湯タイミングを秒数でレシピ化している形なので、「CSC241」のように“はかり”と“ストップウォッチ”が一体化したコーヒースケールがあればレシピ再現も捗ります。

 しかもこの「CSC241」にはお湯を注ぐと自動でカウントが始まるオートモード付き! 一日に何度も使うものだからこそ、スタートボタンを押すひと手間がないのは非常に快適。高機能っぷりとは裏腹にコンパクトかつカジュアルなデザインなのも、職場で使うにはうれしいポイントです。

 また今回は飲み比べなので、コーヒー豆はふだんから愛飲している「サザコーヒー」の「将軍珈琲」をチョイス。まるでワインのような香り高さのなかに、しっかりとした甘みを感じさせてくれる深煎りのブレンドとなっています。

 思えば「サザコーヒー」さんは、自分に“良い豆”がなんたるかを教えてくれた原点。以前、プライベートで本店にもお邪魔したことがあるのですが、それはそれは素晴らしいひとときでした……。

たたんでポケットにすら収まるシリコン製ドリッパー!

 初手からいきなり大本命。「V60 フラットドリッパー 02 PLUS Zebrang」は、老舗メーカー・HARIOが送るアウトドアブランド「Zebrang(ゼブラン)」のアイテム。

 本商品は、いまやHARIOの代名詞とも言うべき「V60ドリッパー」を、シリコン素材によって折りたたみ可能にしたもの。サーバー本体は凹凸をはめることで円錐状を形成し、硬い樹脂製のホルダーに差し込むことでしっかりと固定されるため、見た目以上に安定感があります。

 使い勝手は「V60ドリッパー」そのものであり、ふだん自宅で樹脂タイプを愛用している自分としては文句なしの味わい。円錐型の大きなひとつ穴構造で、コーヒーの味&香り成分をしっかり抽出しつつ、過抽出による嫌な雑味やえぐみは出づらいという“おいしいとこ取り”ができるのが強みです。

 別途、使い捨てのペーパーフィルターを用意する手間はありますが、使用後にフィルターごとコーヒーカスをまとめて捨てられるメリットは大きいと感じました。

 ひとつだけ難点を挙げるとすれば、シリコン製ゆえに、洗浄後にペーパータオルで拭き取ってしまうと紙の繊維がこびりついて見た目がアレな感じになること。どこかに吊るして自然乾燥も職場だとなあ……で、この点は工夫が必要そうでした。

・手軽さ:  ☆☆
・洗いやすさ:☆☆☆☆
・携行&保管:☆☆☆☆☆
・味わい:  ☆☆☆☆☆

小物感がオシャレなオールインワンドリッパー!

 こちらは、オシャレでかわいいキッチン用品を多数扱う「Bruno(ブルーノ)」の「パーソナルコーヒードリッパー」。ステンレス製のメッシュフィルターと台座がグラスカップ内に収まるデザインになっていて、これならデスクの上に置いておいてもステキかも。

 金属製フィルターは紙に比べてどうしても粉っぽい口当たりになる印象があったのですが、本商品はこだわりの二重構造のおかげで微粉を通さずクリアな味わいが楽しめます。コーヒーにキレのある苦みを求める方にはとくにオススメできると思いました。

 しかもこれだけコンパクトなのに、カップの実使用量が210mlなのはありがたいところ。150mlじゃ物足りないけれど、300mlはちょっと多いと感じる自分にとってはジャストサイズ。

 抽出が終わった後はフタが台座の受け皿になるので、机の上をビシャビシャにする心配もなし。ただし、カップに対してフタがかっちりハマらず余裕がある仕様なので、収納状態でカバンに放り込むと中でバラバラになります。持ち運ぶ際はバンドなどを用意して留めておきましょう。

・手軽さ:  ☆☆☆
・洗いやすさ:☆☆☆
・携行&保管:☆☆☆☆
・味わい:  ☆☆☆☆

■入れて放置してプレスするだけのタンブラータイプ!

 ハンドドリップがどうこうと言いつつ、最後に紹介するのはいわゆるフレンチプレス式。豆に対しお湯を“透過”させるのではなく、お湯に対し豆を“浸漬”させる抽出方法です。

 フレンチプレスの第一人者的メーカー「BODUM」の「TRVEL PRESS SET」は、二重構造のプラスチック製タンブラーと、金属フィルター付きのロッドが組み込まれたフタがセットになった商品。

 使いかたはいたって簡単で、タンブラーの中にコーヒー粉とお湯を入れてフタをし、4分ほど待った後でロッドを押し込むだけ! こうすることで粉が“ろ過”され、上澄みにあたるおいしいコーヒーが飲めるしくみです。

 フレンチプレスの魅力はこの手軽さに加え、(紙のフィルターだと吸着されてしまうと言われる)コーヒーの油分をもまとめて楽しめるところ。なるほど、飲んでみるとドッシリめの口当たりで、仕事中、自分に喝を入れるにはピッタリの味わいだと言えるかも?

 フタの接続部はネジ式で、開口部のストッパーを留めておけば完全密閉……とはさすがにいきませんが、もしも横倒しになっても数滴漏れる程度で大惨事にはいたりません。

 そんな本商品ですが、抽出方式に由来する弱点を抱えているのも事実。フレンチプレス式は90℃以上の熱湯を使うのがおいしく淹れるコツと言われているのですが、タンブラーの保温性能の高さもあって抽出直後はアッツアツ。

 しかし飲みごろまで冷めるのを待っていると、タンブラーの底で押しつぶされた状態のコーヒー粉から徐々に抽出が進んでいき、コーヒーが濃くなっていってしまうのです。いっそ紙コップにでも注ぐか? いやしかし、それではタンブラーの意味が……。

・手軽さ:  ☆☆☆☆☆
・洗いやすさ:☆☆
・携行&保管:☆☆☆
・味わい:  ☆☆☆

職場で“マシンに頼らない”コーヒー、かなりアリかも!?

 たとえ自宅ではなくても、やってみれば案外できるじゃあないか! そう、お湯と、「(編集部共用のコーヒーマシンがあるのに何やってるんだろうあの人……)」という視線に耐える強い心さえあれば、この世に不可能などないのです。

ボタンひとつで、深い味わいと上質なクレマをも楽しむことができるネスプレッソさん。カプセルのバリエーションも豊富で、「こりゃ敵わんな」と飲むたびに思い知らされます

 マシンとハンドドリップ、手間やコストも考えると一概にどちらが優れているとは言い難いのですが、双方で違った味わいが楽しめるわけで、選択肢が増えるというだけでも自分としてはアド。ちなみに飲み比べに付き合ってもらった編集部員からは、「(ハンドドリップのほうは)冷めてきてもおいしく飲める」と評判でした。

 そして今後は、“まだ見ぬコーヒー豆との出会い”もより一層楽しみなところ。編集部の周辺にはステキなコーヒーロースターがたくさんあるのに、豆を買っても仕事中に飲めなかったのが悲しくもあり。至福の一杯とともに、来週からもがんばっていきたいと思います!

カメラ初心者の行き当たりばったり旅~北九州編~

リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTi…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる