『バチェラー』に『花束オオカミ』、『あいの里』……今年話題の恋愛番組を振り返る

今年の恋愛番組を振り返る

 2023年も、たくさんの恋愛番組がわたしたちの心を弾ませてくれた。事実、人気シリーズに異色のメンバーが参加して新しい風を吹き込んだり、刺激的なタイトルが生まれたりするなど話題に欠かせなかった印象だ。今回は特に印象的だった作品をピックアップして、今年のトレンドを振り返っていきたいと思う。

 まず、いちばん衝撃的だったのが、『花束とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)に、アイドルを卒業したばかりの齊藤なぎさが電撃参加したことだ。齊藤といえば、指原莉乃がプロデュースを務めるイコラブこと「=LOVE」の人気メンバー。たとえるならば嗣永桃子や渡辺麻友のような“THEアイドル”としてファンを魅了し続けてきた人材だ。そんな彼女が、グループ卒業からわずか2ヶ月後に、恋愛番組に出演するなんて……。最初は、受け入れられないファンもいたと思う。

 しかし、同シリーズが描くのは恋愛模様だけでない。共同作業やメンバーの脱落を経て育まれていく友情も、見どころのひとつだ。恋をしない嘘つきオオカミが明かされる瞬間の切なさや、騙されてしまった側の気遣いなども含めて、まるで1本の映画を観たあとのような気分になることができる。今回のシーズンでは、齊藤と中川紅葉の友情に泣かされた人も多いのではないだろうか。高橋文哉や生見愛瑠、山之内すずなどさまざまな分野で活躍しているスターを輩出している『オオカミ』シリーズは、出演者たちの今後の活躍にも期待が募る。

 今年の恋愛番組のなかで、筆者がいちばん熱中したのは、『バチェラー・ジャパン シーズン5』(Amazon Prime Video)。毎週木曜日の夜は、配信時間をいまかいまかと待ちわびて、観終えた後もSNSでファイナルローズ考察をチェック。『バチェラー5』が放送されていた期間の金曜日は、いつも寝不足と戦っていたような気がする。

 今回、女性陣が奪い合う“バチェラー”に選ばれたのは、昨年放送の『バチェロレッテ・ジャパン シーズン2』で、惜しくもファイナルローズを逃してしまった長谷川惠一。シーズン4の黄皓もそうだが、『バチェロレッテ』で2位になったメンバーが次のバチェラーになるというのは、王道コースになっていくのだろうか。

 『バチェラー5』の詳細が発表されたときは、正直なところ「新しいハイスペ男性が見たかったなぁ」と思う気持ちもあったが、やはり知っているメンバーが出演していると感情移入の仕方も変わってくる。恋に敗れている姿を見ているからか、「今回こそは幸せになってほしい!」とグッと入り込むことができるのだ。特に、今シーズンはどんでん返しが起こりまくっていたので、最後まで展開が読めないところも面白かった。

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