ハクビシン、激臭魚……なんでも食べるYouTuberが人気 実は社会的にも意義深い“野食ハンター”の魅力とは

野食ハンター・茸本朗の実はタメになる魅力

 「野食(やしょく)ハンター」として活動する人物が、いまYouTubeで人気を集めていることをご存じだろうか? それがチャンネル登録者数23.5万人(2023年6月6日現在)という人気を誇る「野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch」だ。本稿では、独特なコンテンツを投稿しつつも、じつは社会的に意義深いメッセージを発信することもある彼の魅力を深掘りしていきたい。

臭すぎて未利用魚な「アイゴ」の激臭内臓が実は絶品

 チャンネル主である「茸本 朗(たけもとあきら)」は野生食材を採って食べることを生業として活動するクリエイター。彼はYouTuberとしての活動だけでなく、ブロガーや書籍執筆者など、マルチに活躍している。

 そんな彼には、「食べられるもの」と「食べられないもの」を、瞬時に見分けられる特技があるそうだ。この特技を活かし、YouTubeにおいては、普段私たちの周りにある「知られていないけど食べられるもの」に焦点を当てて、動画を投稿している。なかでも「未利用魚」に着目しているのが大きな特徴だ。

 「未利用魚」とは、漁獲量の少なさや手間がかかることからコスト倒れする、あるいは知名度がないなどの理由で、食用に利用されない魚のこと。たとえば、未利用魚の1つである「アイゴ」は、毒のあるトゲを持つほか、その身体からはアンモニア臭のような独特の香りがするため美味しくなく、食用に利用されていない。

 このアイゴ、「ぜんまい(内臓)」も非常に臭いのだが、野食ハンター・茸本はここに着目して動画を投稿した。動画タイトルは「臭すぎて未利用魚な「アイゴ」の激臭内臓が実は絶品」で、豊富な知識を基にぜんまいを煮付けで調理し、美味しく食べてみせた。なお、未利用魚のほかにも、「ハクビシン」や「インドクジャク」など、我々からすれば「これ食べられるの……?」と疑問を浮かべてしまうような食材も取り上げ、調理して食している。

果樹を荒らすハクビシン食べてみた

 茸本が投稿したYouTube動画の多くは10万回再生以上で、コンスタントに根強い人気を獲得していることがうかがえる。なぜ茸本は、ここまで人気を誇るYouTuberなのだろうか? その秘密はいくつかあるが、1つ挙げるならば「食材に対して真摯に向き合う姿勢」は評価されているだろう。

【くっせぇわ】荒川の巨大ハクレンを絶対どうにかして食う!

 投稿される動画にはそれぞれメッセージが籠められており、本来であれば無為に駆除される命を食材に利用できることや、未利用魚の可能性を伝えるなど、社会的にも意義深いチャンネルとなっている。それから、視聴者として彼の動画を視聴していると「こんな生き物が食材になるのか」と驚きつつも、知識が増えていくことに面白さも感じられる。

 また、筆者の目からは茸本は知的な印象を受け、命を取り扱うチャンネルであるためか、言葉を選びながら喋っているように思える。食材に対する探求心や豊富な知識を持ち合わせており、決して命を軽視しようとしないその姿勢が、視聴者に受け入れられているようだ。実際に見ていただくと、それがより伝わるだろう。興味があればチェックしてみていただきたい。

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