七海うらら×いかさん対談 時代を駆け抜ける歌い手同士が語り合う“戦略的な活動論”

七海うらら×いかさん対談

 昨年春より第1回目が開催された株式会社ドワンゴ主催による“歌い手と歌ってみたファン”のための『歌ってみた Collection(通称:歌コレ)』。TOP100、ルーキー、グループ、ボカロP部門から成るランキング形式で、歌い手による歌ってみた動画がスポットライトを浴びるお祭りだ。

 4月21日~4月24日にも『歌コレ2023春』の開催が予定されている手前、リアルサウンドでは、『歌コレ2022秋』のグループランキングで、「【二人四役】ヤンキーボーイ・ヤンキーガール【Covered by 七海うらら×ナカツジアラタ】」を投稿し3位に入賞。作詞、作曲、歌、イラスト、動画編集、衣装デザインなど、マルチに活動する注目の個人勢VSinger・七海うららと、彼女が今回の対談相手として希望した、ジェンダーレスなボイスを持ち、声優/俳優としても活躍しているカリスマ歌い手・いかさんの2人にお互いの印象や『歌コレ』に対する思い、それぞれの活動や活動者としてのスタンスなどをうかがった。

 「ヤンキーボーイ・ヤンキーガール」の投稿に至るまでの衝撃的な七海うららのストーリーをはじめ、共通の話題で大いに盛り上がった2人。まさに今の時代を駆け抜ける歌い手のプロ意識の高さが光る時間だった。

——本日こうしてお会いするまで、お互いに面識はあったのでしょうか。

七海うらら:昨年11月に開催された、長く活躍されてきた歌い手さんたちと、いま注目の若手の歌い手さんたちが一堂に会するライブイベント『i-STAR presents LIVE 紡-TSUMUGI-2』で、主催者のコニーさんから出演のオファーをいただいて。その際、いかさんもいらっしゃったので、少しお話する機会がありました。

いかさん:自分もコニーさんからオファーをいただいて出演しました。コロナ禍で、これまでのようにフェス形式で開催することが難しくなって、当時は1つの会場で開催したんだよね。

——うららさんはいつごろからいかさんの活動を目にされていたのですか?

七海うらら:私が好きなHoneyWorksさんの“歌ってみた動画”を2017年ごろに投稿されていた時から、いかさんを知っていました。特に、当時投稿された松下さんとのデュエット曲「竹取オーバーナイトセンセーション」が好きで、よく聴いていたんですよ。

いかさん:嬉しい!

——うららさんから見て、いかさんの魅力はどこにあると思いますか?

七海うらら:いかさんの歌ってみた動画には「彼は女性です」というタグが頻繁についたりするくらい、性別がわからない、という驚きがありますね。私は、いかさん、ピコさん、赤飯さんのような男性と女性の声を使い分ける“両声類”と、いろんな声を使い分ける“多声類”という括りのジャンルがすごく面白いと思っていて、よく聴いてきました。そんな自分が今や、その類いのタグをつけられる存在になっていることもあって、今回、いかさんを指名させていただきました。

いかさん(左)、七海うらら(右)
いかさん(左)、七海うらら(右)

——うららさんは、七色の声で魅了する“多声類”との評価を受けていますね。

七海うらら:最近、1曲の中に起承転結がある場合、悲しいフレーズは悲しい感情、楽しいフレーズは楽しい感情を込めるみたいに、感情に差をつけながら歌うことにしたんですよ。そうしたら、フル尺でも聴いてもらえるようになったという気付きがありました。

いかさん:そういうアプローチか。自分はうららちゃんの言う「感情」とは少し違って、「声色」に変化をつけるようにしてから聴かれるようになりましたね。声色も感情と結果的につながってはいるけど。

七海うらら:確かにそうですね。

――いかさんから見たうららさんの魅力も教えてください。

いかさん:ソロでしっかりと活躍できていることですね。いまは、ソロとしてずっとトップを走り続けてきた歌い手さんでも、フェスに参加して、ひとつのまとまりとして自分を見せることが多くなってきていると思うんですよ。ソロより歌い手グループとか、まとまった単位での売り出し方が多くなったというか。そんな中で、しっかりとソロのイメージがあるうららちゃんは本当にすごいなと思っています。

七海うらら:ありがとうございます!

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