超大型の“文化祭”に感じた、とてつもないエネルギー 『にじさんじフェス2022』総括レポート

『にじさんじフェス2022』総括レポート

 さてここからは、筆者が足を運んだ初日・2日目について簡単ながらのレポートとなる。さまざまな展示物や状況を捉えた写真がSNSやメディアを通して広まっているし、各ライバーの振り返り配信が数多く届けられているが、実際どれほどの状況であったのかを筆者の目線から2日間の熱狂を書いていきたい。

 この瞬間だけでも分身したかったところだが、身体は一つしかないうえに、取材申請やニコニコ動画でのアーカイブ配信などの関係上、初日・2日目のメインステージについての詳細は省いていたり、カフェステージ・ガーデンステージのすべてを観覧できたわけではないことをご留意いただきたい。

ガーデンステージ Day1前半 公式放送 【#にじフェス2022_Day1】

 公式メイン放送などを見ていただければ会場内の光景が伝わるかとは思うが、観客数の多さと混雑具合はかなりのものであった。

 単なるライブイベントであればもっとユッタリとした空間になっているはずであろうが、各展示物・企画用のスペースがあるうえに、いたるところに写真を取りたくなるような展示・サイン・建物が目白押しなので、写真を撮る方々のためのスペース作りがどうしても必要となる。

 くわえて、オープンステージでの立ち見エリアが生まれたり、JK組・さんばか・ChroNoiR・ROF-MAOの着ぐるみが練り歩き、突如として出現する謎ノ美兎の存在などもあるので、すこし注意を逸らしただけで、前後左右のお客さんとぶつかってしまうレベルの混雑具合だった。

 もちろん当会場で開催される大型イベントでは毎度おなじみともいえる光景ではあるが、「大型企画に参加するのが初めて」という方にはこの状況がすでに驚きであったろう。

 2016年~17年ごろはまだ男性視聴者が圧倒的であり、いま現在でも男性視聴者がアナリティクス上では優勢ではあるものの、今回の参加者は男女比でいえばほとんどイーブン、むしろ女性の方が多かったのではないか?という印象を受けた。

 今回の大型フェスを通し、来場したファンや実際にファンと出会ったライバーらはハッキリと「女性ファンの多さ」が伝わったはず。森中花咲、愛園愛美、奈羅花は女性ファンの多さのあまり、驚きと嬉しさをツイートしていたほどでもある。

 「文化祭」をテーマにしたことにより、女性の来場者の中には「学生服」を着て参加されるかたがチラホラとみられた。そのなかには、現役の学生として過ごされている方もいるだろう。こういった要因も重なり、どこか初々しくも明るいムードが2日間中ずっと続いていたのだ。

 ガーデンステージ・カフェステージの盛り上がりは、予想以上であった方も多いと思う。事前申し込みと抽選を経て観覧することができたメインステージは元より、2日間に渡って進行していった両会場ではバラエティ豊かな企画が展開されていた。

カフェステージ Day1前半公式放送【#にじフェス2022_Day1】

 時間帯によっては波はあれども、どの企画でも多くの観客を集め、ステージ外に区切られた立ち見ステージどころかより遠くからステージを見てみようとする観客が続出していた。

 あれだけの観客を目の前にしてしまうと、どんなにキャリアを積んだメンバーでもさすがに緊張したり、興奮したりするであろう。特に山神カルタと来栖夏芽の2人による「やまなつ晩酌RADIO」は、通路を防ぎかねないレベルで大混雑。「座ってトークを展開していく」はずの内容でありながら、山神・来栖2人ともに一度話を終えたらすぐに立ち上がり、はしゃいで盛り上がり、立って座って騒いでを繰り返す姿があった。

ガーデンステージ Day1後半 公式放送 【#にじフェス2022_Day1】

 2日目のトップバッターには「Daylight Dimension Dive:3D」でエリーラ ペンドラとハナ・マキアが登壇し、3Dビジュアルを初お披露目していた。大盛り上がりであったこのステージ、海外で活動する2人にとって「ファンに姿をみせることができた」というのは想像以上に大きな財産となったろう。

ガーデンステージ Day2前半 公式放送 【#にじフェス2022_Day2】

 15時からスタートした「第2回にじさんじ歌うま選手権!!」には、司会役に渋谷ハジメ、審査員にえる、西園チグサ、ルイス・キャミー、歌を披露するメンバーとして東堂コハク、エリー・コニファー、森中花咲、レヴィ・エリファがそれぞれに歌っていった。

 「大声ダイヤモンド」を元気よくチャーミングに歌っていく東堂コハク、オペラ『魔笛』のなかでの名曲・超難曲として知られる「夜の女王のアリア」をオペラ歌唱で超ハイノート(高音域)を歌って見せたエリー・コニファー、大人姿で登場して工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」を艶っぽい声で歌い上げた森中、最後に登場して掠れ気味のトーンやファルセットすらも表現に組み込んで手嶌葵「明日への手紙」を「自分の歌」レベルに仕上げていたレヴィ。

 現地会場では大盛り上がり。この場ではレヴィが満票をもらって優勝していたが、「全員が3Dビジュアルとなって歌っているだけで優勝!」と感謝してしまいそうなファンもいたはずの、思い出深いステージとなった。

 このような「いままでの配信で見られない姿」「これまで想像していた姿とは違った姿」を見ることができた貴重性もあいまって、カフェステージ・ガーデンステージは常に盛り上がり続けていた。

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