“おバカ人狼”こと『Feign』はどんなゲーム? 流行を機に振り返る、人狼系派生作品の歴史

“おバカ人狼”こと『Feign』流行の背景

『Among Us』は、カジュアルさで年齢・性別を問わない支持を獲得

Among Us Steam Release Trailer

 最後にピックアップするのは、最も近い時期に旋風を巻き起こした人狼系タイトル『Among Us』だ。実は同タイトルがリリースされたのは、紹介した3作品のうち、最も古い2018年。『Project Winter』『グノーシア』と比較すると、“ブレイク”までに長い時間を要した苦労人ということになる。

 『Among Us』のゲーム性をひとことで表すならば、「プレイヤーを選ばない人狼系アクション」がしっくりくるだろう。前述のとおり、人狼ゲームとアクションの融合には、『Project Winter』という成功例があるが、複雑な操作を必要とする同作に対し、『Among Us』は「誰でも簡単にできるアクション操作」が特徴的だ。村人の妨害や排除をワンボタンでおこなえるうえ、同陣営の勝利に必要なタスクの消化は視覚的にもわかりやすいミニゲームで構成されている。同タイトルがトレンド化した要因は、そのカジュアルさにあると言っても過言ではないほど。そうした流れは、『Feign』のゲーム性にも間違いなく引き継がれている。

 『Among Us』は2020年下半期に大ブレイクを果たしたのち、日本語へのローカライズや、家庭用プラットフォーム・スマートフォンへの移植を経て、現在もなお少なくないプレイヤーに愛されている。リリースから4年以上が経過したいまとなっては、「最も成功した人狼系派生作品」と言うこともできるのではないだろうか。

 こうしたタイトルたちの轍を進む『Feign』は今後、スマートフォンへの移植を予定しているという。現在の盛り上がりが長く続く、もしくはさらに広がるようであれば、家庭用プラットフォームでプレイできる未来もやってくるかもしれない。

 定期的にやってくる人狼ゲームのトレンド。そのバトンはいま、間違いなく『Feign』によって次の時代へとつながれている。

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