『バーチャルマーケット』とVRバトロワFPSで、『VRChat』に新規参入の流れはくるか

『VRChat』に大きな新規参入の気配

 先週はすっかりお盆休みの時期となったため、ニュースの類は少ない一週間だったように思う。かわりに、各所で大きなイベントが開催されている。『コミックマーケット100』に『RTA in Japan Summer 2022』、『にじさんじ甲子園2022』、そして『バーチャルマーケット2022 Summer』。神田明神も大盛況だ。

 世界最大規模のVRイベントである『バーチャルマーケット2022 Summer』は、8月13日から8月28日までの開催となる。今回も企業・一般ともに多数の出展があり、企業出展会場は2つ、一般出展会場は15(PC版対応会場が12、Quest対応会場が3)、さらにWebブラウザで行くことができる「Vket Cloud」会場が1つ展開される。16日間の会期であっても巡り切るのはなかなかに大変な“世界最大級のVRイベント”は、今回も出だしから盛り上がりを見せている。

 そして今回はコミュニティコラボが多数開催されることも特徴だ。仮想二足歩行ロボット格闘技、洋画系ロールプレイ、理系学術交流、ツアーイベントなど、『VRChat』に数多存在するコミュニティや個人が、バーチャルマーケットを舞台に特別イベントやキャンペーンを展開する。公式でも大々的な告知を行うなど、コミュニティへのフィーチャーはかつてないほどに強い。

 直近は「企業のメタバース見本市」として紹介されることが多い『バーチャルマーケット』だが、その出発点は一般出展で見られるような、クリエイターたちの発表の場だった。「原点」をテーマとする『バーチャルマーケット2022 Summer』は、企業主導のメタバースやWeb3の事業が目立ち始めたなか、あらためてクリエイターやコミュニティに活躍の機会をもたらす場を目指しているのだろう。会期終了まで、全てのユーザーが盛り上がるお祭りになることを期待したい。

 お祭りといえば、神田明神で8月12日~8月14日に開催された「神田明神納涼祭り」では、VTuberグループ「ぶいすぽっ!」との大々的なコラボイベントが開催された。前夜祭の8月11日も含め4日間開催されたイベントでは、物販や所属VTuberによる接客が実施された。これが非常に盛況だったらしく、待機列は長蛇の列となり、急遽各物販は受注生産が決定されるなど、運営サイドも対応に追われている様子だ。

 6月に運営企業が株式会社Brave groupのグループ会社となった「ぶいすぽっ!」は、ゲーム系ストリーマー文化の隆盛に合わせ、コンスタントに人気を獲得している国内有数のグループだ。その人気ぶりは所属タレントのチャンネル登録者数や配信同時接続数からも見て取れたが、「神田明神に実際に集まる人々」という形で、この上なく具体的に可視化されたと言えるだろう。VTuber業界の流れが垣間見える、興味深いイベントだった。

VRバトロワFPS「VERTEX: VRCBattleRoyale」PV

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