にじさんじ甲子園&新プロジェクト始動と、メタバースプレイヤーの活躍。2つの”バーチャル”は越谷レイクタウンで交わるかも?

にじさんじ甲子園&新プロジェクト始動にむけて

 まるで夏の熱気を伝えるかのように、この一週間はとりわけ話題が多かった。やや駆け足で、要点を押さえながら、バーチャルな界隈のホットなトピックをまとめていこう。

【 #にじさんじ甲子園 2022 開催決定!】

 まず、VTuber業界では「にじさんじ」が大きく動いた。毎年恒例の「にじさんじ甲子園」が今年も開会宣言され、7月9日にはドラフト会議が実施された。8名の参加者が「監督」となり、全世界の「にじさんじ」所属タレントをドラフト会議で選び、「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」のキャラクターとして作成・育成。1ヶ月後に対戦するこのイベントは毎年多くのドラマを生み出しており、今年の夏も盛り上がることだろう。

Lie:verse Liars(リーバース・ライアーズ)情報解禁ムービー

 7月8日には、ANYCOLOR、KADOKAWA、BALCOLONY.の3社共同事業となるメディアミックスプロジェクト「Lie:verse Liars」が発表された。大きな特徴は本職の声優に加えて、「にじさんじ」所属タレントが「俳優」としてキャスティングされている点だ。声だけでなく、担当キャラクターデザインを各タレントの「キャラクターとしての身体」に寄せることで、キャストと作品の親和性を高めた作品を目指すというコンセプトだ。VTuberならではといえるメディアミックス展開がどうなるか期待したいところだ。

「CLCT for SCHOOL」メタバースファッションプロジェクト

 メタバースの方面でも大きな動きが見られた。アバター制作ツール「VRoid Studio」では、新プロジェクト「CLCT」が始動した。無料で商用利用も可能なメタバースファッションアイテム100種超を配布し、メタバースには欠かせないアバター制作を推し進めようという興味深い取り組みだ。7月7日には早速、第1弾として学生服をモチーフとしたアイテムが配布された。

 Metaからも突如「Metaアカウント」なるものが発表された。これまで『Meta Quest 2』などの利用にはFacebookアカウントが必須だったが、これに取って代わる新たなアカウント機能だ。様々な理由でFacebookアカウントを作りたくない人、あるいは連携したくない人にとっては、自由なVR活用を推進する朗報だ。「Metaアカウント」は8月には移行が始まる見込みとなっている。

 メタバースプレイヤーの華々しい活躍も見られた。「カソウ舞踏団」のyoikamiは、たったひとりで行うミュージカル『「逆」ひとりぼっちの晩餐会』を一週間で26公演実施し、累計1200名の来場者を記録したことを明かした。筆者も観劇したが、無数のアバターギミックと身体表現を駆使した、新時代のミュージカルを目の当たりにした心地だ。そして、一人でも20回を超える公演を一人で行い、それに1000人を超える観客が訪れたという結果は、VRメタバースの可能性を提示している。

【VRChat】ロマンスの神様

 ユニークなフェイスダンス動画を投稿しているキノピオProは、最新作『ロマンスの神様』のフェイスダンスでバズった。Twitter、YouTube、そしてそれ以上にニコニコ動画で大きな人気を得た。さらに、その動きはMMDモーション化され、モーションが無料配布されることで様々な「ロマンスの神様フェイスダンス」が制作され、ジャンルとして確立しつつある。そして、かの広瀬香美本人に認知され、なんと『VRChat』にも関心を示している。誰も予想できぬ、見事な「風が吹けば桶屋が儲かる」がメタバースに起こった次第だ。

 先週は、多くの人に訪れてほしい『VRChat』のワールドがまたひとつ増えた。画家・鶴田一郎のVR展示会場「ICHIRO TSURUTA VR MUSEUM」だ。ノエビア化粧品のCMに採用されたことで有名な現代美人画や仏画など、氏の作品が数多く展示されている美術館のような空間だ。しかし、建物内を歩いていると、水上の教会や和風の旅館といった空間が突如現れるなど、VRならではの空間設計が活きている。Quest版でも行くことができるので、ぜひ初心者に訪れてほしいワールドだ。

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