ロックダウンの上海で普及したテクノロジー「マー」とは? 感染経路の特定にも大活躍

上海で普及した「マー」とは?

 コロナ感染拡大の影響を受けて、2022年5月30日現在、上海市の都市封鎖が続いている。実は、3月下旬、都市封鎖がスタートする前の上海市で、新たなQRコードが導入された。それが「場所碼(チャンスゥオ・マー/場所コード)」だ。

店舗前に貼られる「場所コード」

 これまでは、「健康碼(ジィエンカン・マー/健康コード)」や「行程碼(シィンヂェン・マー/通信行程コード・通信行程カード)」の2つの「碼(マー/コード)」がコロナ禍下での外出時に必要なコードとして使用されてきた。

 「健康コード(健康碼)」は、その名の通り、健康状態を表すコードで、「赤・黄・緑」の3色で表示され、「緑色」のコード以外は行動制限がある。また、「通信行程コード(行程碼)」は、通信履歴から過去14日以内で感染危険地域に行ったことがあるかどうかなどの行動履歴を管理するコードで、この「健康コード」と「通信行程コード」いずれも、感染拡大を防止するために活用されてきた。

 たとえば、オフィスビルやショッピングモール、公共施設に入場するときには、このコード(緑色)を提示することが必要不可欠で、長期化するコロナ禍で、現地の生活にすっかり融け込み、提示が習慣化している。

店内レジカウンターにも「場所コード」

 今回、新たに加わった「場所コード」も、感染拡大を防止するためのQRコードで、新型コロナ感染者が見つかった場合の感染経路の調査やモニタリングなどに活用するという。これまで提示していた「健康コード」では、位置情報までは把握できなかったため、今回「場所コード」の導入となったようだ。

 では、「場所コード」はどのように使うのかと言うと、通常、この「場所コード」は商業施設など各建物の入り口に貼られている。利用者が中に入るときに、スマートフォンのアプリ(Alipay・Wechat・随申辦)で「場所コード」をスキャンすると、スマートフォンの画面に「健康コード」が提示されるので、それを管理者あるいはスタッフに見せて中に入る。「場所コード」をスキャンすることで、自動的に健康状態に関する情報や位置データなどがシステムに登録される仕組みだ。仮に新型コロナの感染者が見つかった場合、濃厚接触者の追跡にも活用していくものとみられる。

 スマートフォンを持っていない人、児童、高齢者など本人の操作が難しいケースでは、身分証や社会保険証(カード)をスキャンすることで入場ができる。ちなみに外国人は、スキャンしても反応がないケースもあり、その場合にはパスポートによる登録が必要となるとのこと。

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