中国の若者に「代替肉」が人気のわけ スターバックスやKFCでも販売

中国の若者に「代替肉」が人気に

 最近、“フードテック”という言葉を巷でよく聞くようになった。フードテックとは、フード(Food)とテクノロジー(Technology)を融合させた造語で、従来の枠をこえた新しい形で食品を開発したり、調理法を発見したりする技術のこと。中国国内でも、このフードテックによって、食の可能性がより広がっていることを実感している。

 例えば、植物由来(プラントベース)の「代替肉(人工肉)」もフードテックの一つ。上海でも、“ベジタリアン”、“ヴィーガン”といった食生活を選ぶ若者が増え、この植物由来の代替肉もジワジワと認知度を上げている。

スターバックスの代替肉を使用したメニュー
スターバックスの「植物肉」

 2020年以降、『ケンタッキーフライドチキン(KFC)』など、なじみのあるファストフード・ブランドがこぞって植物由来の代替肉を使ったメニューの販売を開始した。さらには、『スターバックス・コーヒー』や『喜茶(HEYTEA)』、『奈雪の茶(Nayuki)』といったティーブランドでも植物由来の代替肉を使ったメニューが定番として店頭に並ぶようになった。

オムニポークを使用したメニュー
オムニポークを使用したメニュー

 そして、2020年12月、上海に、香港発の植物由来の代替豚肉・“オムニポーク(OmniPork/新膳肉)”をメインに使ったメニューを提供するレストラン『緑客門(Green Common)』がオープンした。レストランは、上海市内の人気ショッピングモールの中にあり、若い世代をターゲットとして、ヘルシーさや環境への配慮といったイメージを打ち出していたが、当時は、定着するまで時間がかかりそうに思えた。新しいもの好きの上海では、あっという間にブームになるが、冷めるのもはやい。代替肉への好奇心や新鮮さで一時的に話題となっても、持続できるかどうか懸念された。

 ところが、コロナ禍を経て、中国の消費の主力と言われる90後(1990年代生まれ)の若者の環境問題や健康に関しての関心が一気に高まり、ヘルシーだとか環境に優しいというイメージからか、植物由来の代替肉が再び脚光を浴びるようになった。

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