ロックダウンの上海で普及したテクノロジー「マー」とは? 感染経路の特定にも大活躍
3月下旬、発表時には、オフィスビルや共同施設の一部だけではなく、小売店などの入り口にこの「場所コード」が貼られ始め、導入への準備が着々と進んでいた。その当時は、まだ強制ではなく、任意でのスキャンだったので、入り口で立ち止まり、この「場所コード」をスキャンしている人は見かけなかった。それに、導入が発表されてまもなく、都市封鎖がスタートしたので、使ったことのある市民も少ない上、建物の「場所コード」自体もまだ完全にカバーできていない。
現在の都市封鎖が解除されたときに、この「場所コード」が、まだ広がっていくのかは分からないが、状況によりいつでも使用できるような体制を整えておくところは、デジタル化が進んでいる中国ならではである。分かっていることは、多様な「碼(マー/コード)」を管理するため、現地生活でスマートフォンはますます手放せないツールになっているということだ。
ちなみに、2022年5月30日現在、徐々に回復しているデリバリーサービス(バイク便)でもこの「場所コード」が大活躍。濃厚接触者を追跡し、タイムリーに感染拡大を防止するため、配達員は、デリバリー先の「場所コード」をスキャンすることが義務付けられている。