連載「MCUの『ゲーム横丁8丁目』」第2回:ギャルゲー
キャラには想像力で惚れる。レトロゲーマーならではのギャルゲー論
さまざまな懐かしのハードが“ミニ”になって復刻したり、海外では中古ソフトの価格が高騰したりと、近年色んな意味で改めて注目が集まっているレトロゲーム。そんなレトロゲームについて、音楽業界随一のゲーマー&レトロゲームコレクターとして名高い、KICK THE CAN CREWのMCUがひたすら語り尽くす連載「MCUの『ゲーム横丁8丁目』」。
連載第2回で取り上げるテーマは、取材日が2月だったということもあり、バレンタインデーにちなんで『ギャルゲー』とした。ひと言でギャルゲーといっても、その想いは人それぞれのジャンルである。レトロゲームに精通するMCUにとって、ギャルゲーの世界はどのようなものなのだろうか。今回のMCUは、自身のギャルゲー観とキャラクターへの想いを語る。(編集部)
ギャルゲーの定義は難しい
連載第2回の今回は、僕のギャルゲー観についてお話ししたいと思います。
ギャルゲーは、ジャンル分けが難しいカテゴリーです。基本的にはギャルが登場するゲームを愛を込めてギャルゲーと呼びますが、僕が真っ先に思い浮かぶ代表的なギャルゲーは、恋愛シミュレーションゲームの『ときめきメモリアル』(コナミ)です。
それ以前にも、特にパソコンゲームにはギャルゲーと呼ばれるものは多数ありましたが、このジャンルを一躍有名にしたのは間違いなく『ときめきメモリアル(以下、ときメモ)』だったと思います。
ギャルゲーの定義としては、歴史的にさかのぼると『夢幻戦士ヴァリス』(日本テレネット)や『アテナ』(SNK)のような女性キャラクターが主人公のアクションゲームもギャルゲーだと思いますし、パソコンゲームから始まった『プリンセスメーカー』(ガイナックス)や『卒業 ~Graduation~』(ジャパンホームビデオ)のような育成ゲームもギャルゲーカテゴリの1ジャンルですよね。
また、よく議論にも挙がりますが、いわゆる18禁の成人向けゲームもギャルゲーに含むこともあれば、時には18禁は美少女ゲームと呼んでジャンルを分けて話されることもあります。ギャルゲーは、本当に分類が難しいジャンルです。
今回は、バレンタインデー=女子という意味を込めて、大きなくくりでギャルゲーの魅力を話してみたいと思います。
やっぱり『ときメモ』はギャルゲーの代表かな
最初に話しておきたいのは、やはり『ときメモ』ですね。実は、僕は『ときメモ』をリアルタイムでは遊んでいないんです。当時は、意外と硬派ゲーマーで、なかなかそういうジャンルには手を出さなかったタイプでした。たぶん、恋愛シミュレーションゲームをプレイし始めたのは、ここ10年ぐらいか、それよりも短いかもしれません。
『ときメモ』は大人になって友達に勧められてプレイしたら、のめり込んでしまったというゲームでした。初めて遊んだのは、スーパーファミコン版の『ときめきメモリアル 伝説の樹の下で』です。
実は『ときめきメモリアルオフィシャルイラスト集』や『ときめきメモリアル―forever with you 想い出の卒業アルバム』といった本も持っていたりします(笑)。
ただ、のめり込んだとはいえ、いまだに『ときメモ』で告白に成功したことがありません。それだから、まだ好きでいられるのかもしれませんが……。
最初はやはり藤崎詩織ちゃんを“攻略”しようと思ってゲームをやっていたんですね。メインのキャラクターは、簡単に攻略できるだろうと思って。そうしたら、実際には簡単ではなかったんです。あとから友達に、詩織ちゃんが一番攻略するのが難しいことを聞きました。
遊んでみたら、主人公を攻略するのは難しい骨太なゲームだったんだと理解しました。そういうのを含めて、すごく『ときメモ』が好きになりましたね。あと、イラスト集を眺めていて詩織ちゃんの身長が158センチなのを知って、自分にちょうどいい身長だなと思いました(笑)、そういう思い出がありますね。
『ときメモ』で、その次に狙ったのが清川望ちゃんです。スポーツ万能なボーイッシュな子で、この子は身長163センチあるんですよ。ちょっと大きいんですね。そんなことはどうでもいいんですが(笑)。
こうして『ときメモ』にハマって、それから自らギャルゲーもやるようになったんですね。『トゥルー・ラブストーリー』(アスキー)や『卒業 ~Graduation~』もやりましたし、PlayStationのSIMPLEシリーズで出ていた『THE 恋愛シミュレーション ~夏色セレブレーション~』もやりました。いろいろと遊びましたね。