“TikTok売れ”の体現者・やみちゃんが、最初の3秒に込める工夫 「あえて統一感は出さない」
「万人に合うものはない」を念頭に正直にレビュー
ーーほかに発信をする際に気をつけていることはありますか?
やみちゃん:言葉選びも、内容も含めて、すべてにおいて丁寧に作っています。やはり、企業さんも商品に対して、すごく愛情を込めているのを知っているので、自分が商品を作ったときに雑に紹介されたり、それがきっかけで勘違いが生まれてしまったらすごく嫌だなと思っているので。
一方で、嘘をつくことは視聴者さんに対して思いやりがないなと思っているので、過剰表現をしないこと、手放しで褒めるのではなく、正直にレビューすることも意識しています。
ーーコスメだと期待していたものと違う場合もあると思うのですが、そういう時はどうしているのでしょうか?
やみちゃん:使用感としては正直に話すのですが、必ずフォローを入れるようにしています。例えば、毛穴の汚れが取れる商品を紹介した際に思っていたよりも取れなかったことがあって、その時は「お風呂でやってみたら、もっと取れたかも」と紹介しました。実際、同じ商品を使用して、たくさん取れている方もいたので私のやり方が違ったのかもしれませんしね。
ーーなるほど。
やみちゃん:でも、肌の弱い方もいれば、しっかり効果が出る商品じゃないと物足りない方もいるわけですし、万人に合うコスメはないと思うので当然なんですよね。だからこそ、どんな人にどんな点がおすすめなのかということは、常に意識していて、類似商品との違いなども徹底的に調べたり、口コミを見たりしています。
日常生活の中でも、動画の構成を意識
ーー動画の構成はどのように考えているのでしょうか?
やみちゃん:やはりインパクトを残すために、最初の3秒が大事だなと思っています。私の動画の場合は、最初の3秒でその商品の魅力、インパクトのある部分を出したいなと思っているので、街中で商品を選んでいる時も「これなら、どういう見せ方をするのがおもしろいか」ということを考えています。あえて統一感は出していません。
ーーご自身の考えた読みと、反響にギャップがあることはあるのでしょうか?
やみちゃん:いま、こんな風に話していますけど、伸びると思っていた動画が、伸びないことはしょっちゅうあります(笑)。毎度バズるように考えているので、そういう時は、なんでダメだったんだろうって考えちゃうのですが、半年後に見ると「動画の違う方向性もあったかな」と納得できるから不思議ですよね。
ーーお話を聞いていてかなりのこだわりを感じたのですが、1本の動画を作るのに、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
やみちゃん:オーガニックの投稿の場合は平均して3時間くらいですかね。企業さんの案件の場合だと撮影と編集に加えて、打ち合わせや絵コンテの提出、修正などもあるので、12時間くらいかかってしまうこともあります。
ーー30秒の動画に、そんなにかかるのですね。
やみちゃん:でも、私自身、動画編集がすごく好きなので苦ではないんです。しかも、常に新しいエフェクトを使ってみたり、心地の良い音を使用してみたりと自分の中での挑戦を楽しんでいるので、時間がかかっちゃうんですよ。
Instagramは企業のホームページ、YouTubeはテレビショッピング
ーーTikTok以外にInstagram、YouTubeなどのSNSも使用していますが、それぞれどのように使い分けているのでしょうか?
やみちゃん:Instagramは、企業のホームページに近く、とてもクールな印象だなと思っています。そのため、必要な情報だけ、人間味は出さないようにしています。一方でYouTubeは、人格を出した方が見ていて楽しいだろうなと思っているので、忖度がない販売員であるようにということを目指しています。私自身、言葉のチョイスがおもしろい方の動画を見ることが多いので、商品を買うか迷っている方の背中を押せたらよいなと思っています。
TikTokは、ちょうどその中間ですね。情報が欲しくて見る人もいれば、テレビがついていたからなんとなく見る人もいるような感覚。だから、どれも別のエンターテインメントとしてうまく使い分けています。
ーー最後に、今後やってみたいことがあれば教えてください。
やみちゃん:まず2022年は、自分が楽しいと思える動画、商品が売れて企業さんが喜んでくれるような動画、ヒット作をいっぱい出せたらなと思っています。
あとはSNSを通じて昔からの夢が実現できたら、コスメのプロデュースができたらとも思っています。もしもやるなら、大好きな毛穴パックが良いですね。忖度のない、しっかり取れて、アフターケアもバッチリなものが良いなと思っています。
それから、将来的には何かひとつメディアを持ちたいなと構想中です。美容に限らず、世の中にあるおもしろい商品を紹介して、見ている人も企業さんも喜べるようなもの。それからフェムテックに関わる発信をする中で、恥ずかしいから言えないと思っている人の不安を解消して行きたいです。