『PlayStation VR2』はメタバース時代にどうハマる? よりリアルさを追求した機能とは

『PlayStation VR2』はメタバース時代にどうハマる?

新時代に必要なスペックとは

 前置きが長くなってしまったが、このようなVRヒストリーが紡がれてきたうえで、満を持して登場しようとしているのがPSVR2、というわけだ。初代PSVRはVR黎明期に登場したため、実験的な部分も多くあったが、今回はむしろ逆。VRコンテンツは急成長しており、PSVR2がどれだけユーザーを満足させられるかは、その性能の高さに委ねられている。

 では、改めてPSVR2のスペックを振り返っていこう。視聴する映像の美しさを決定づける解像度は、片目のレンズにつき2000×2040pxの有機ELディスプレイだ。この数値は10万円を超える高級VRデバイス『HTC Vive Pro』にわずかに届かない程度で、極めて高い解像感を有しているといえる。また、HDRによる豊かな階調表現と最大120fpsの高フレームレートにより、映像の鮮明さにも期待ができるだろう。

 VRの快適さで重要となるのが、視野角(FOV)だ。視野角が大きいほど視界全体を映像で覆うことができる。PSVR2の視野角は110度となっており、「Oculus Quest 2」の公称値である100度よりもやや広い。また、PSVR2は一般的なレンズよりも薄型なフレネルレンズを採用しており、これがVRヘッドマウントで稀に発生するゴッドレイ問題を解決するかもしれないと見られている。ゴッドレイは、VRでハイコントラストな映像を表示すると光のラインが発生してしまう問題のことで、構造上避けにくいものであった。

 機能面としては、視線トラッキングと振動フィードバックに対応した。視線トラッキングは現行のVRデバイスでも採用しているものがあり、最新水準を持ってきたといえる。振動フィードバックは、例えばVRゲームをプレイしていて、頭上で何かが通り過ぎたり、キャラクターの脈拍をリアルに感じたりする際に、よりリアルな体験に寄与してくれるだろう。

 また、地味な点ではあるがケーブル接続がより簡便化した。初代PSVRは、PS4と接続するために大きなデバイスと太いケーブルが必要だったが、PSVR2はUSBケーブル1本でPS5と接続が可能。セットアップが簡単になればなるほど、VRゲームもプレイがしやすくなるものだ。

PlayStation VR2
PlayStation VR2 コントローラー

 また、現在判明している唯一のPSVR2のハードウェアが、コントローラーだ。オーブデザインと呼称される手を包み込むような形状をしており、異質な雰囲気を放っている。アナログスティック、ボタン、タッチ機能、振動フィードバックなどのほか、PS5のDualSenseワイヤレスコントローラーで採用されているアダプティブトリガーを搭載。物を掴んだときの感触や、掴んだものからのフィードバックなどが、よりリアルに反映されるのではないかと予想している。

 2022年2月時点において、これらのスペックはVRヘッドマウントとしては高水準の域に達しているといえるだろう。PS5の処理性能を思えば「PS5とPSVR2、この2つがあればメタバース体験はお任せ」と、そんな言い方ができるデバイスになれるのではないだろうか。とはいえ、VRデバイスの成長は早い。リリース時にはすでに数世代前のスペックになっている、といったことがないよう、早い段階での発売を待ち望むばかりだ。その前に筆者はPS5を入手する必要があるが……。

(Source)
https://www.playstation.com/ja-jp/ps-vr2/

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