先祖帰りで人気復活の『DELL XPS』 先行予約効果か、納期遅め&不足しているパーツとは?

先祖帰りしたDELL『XPS』をチェック

強いブランドのXPSが復活!

 2026年のCESで発表が行われ、先行予約でも人気の『DELL XPS』。DELLの人気ブランドのひとつに挙げられる本機種には、ちょっとした裏話がある。

CES2026で発表されたPanther LakeことIntel Core Ultra Series 3。このメカニカルサンプルは16コア+12Xeコアの最上位タイプ。画像左下がコンピュートタイル。右がGPUタイル。上中央がプラットフォームタイル。上左右のチップは回路が入っていないフィラータイル
XPS14
発表された『XPS 14』。まず左のグラファイトが発売され、今後右のシマーが販売される予定
シマー
シマーは一昔前でいう「シャンパンゴールド」っぽいカラーリング。個人的にはもっと白い方がかっこいいような気も
電源アダプタ
電源アダプタはPD100Wのもので、65W出力ではフルパフォーマンスが出せないので注意したい。詳しくは本文で後述
オールインワンPC
地味ながらDELL初のCopilot+PC対応オールインワンも発表。日本では根強い人気のオールインワンでCopilot+PCはおもしろい製品だ

 2025年にDELLはブランドをシンプルにするというメッセージが、創業者のマイケル・デルから発表された。「細かいサブブランドは覚えていなくても『DELLのパソコンを買った』ということは覚えている」。つまり「Vostro」や「Precision」と聞いてターゲットセグメントや製品の位置づけを理解している普通の人はいなくても、「DELLのパソコン」ならば誰でも鮮明なイメージを持つーーというのは非常によく理解できる。

 結果、DELLのパソコンは2025年からコンシューマー向けのDell、法人向けのDell ProとワークステーションのDell Pro Maxに大別され、バリュー向けのベースライン(無印)、メインストリーム向けのPlus、ハイエンドのPremiumと3×3の9セグメントに分類された(が、その後Dell Pro Essentialが登場したので現在は10セグメントとなっている)。

 一方、ゲーミングブランドのAlienwareはそのまま継続された(下位モデルのDell GはAlienware入りしている)。Alienwareは買収したブランドで、強いブランド力があるので残したのだろう。先日もHPがゲーミングのマスターブランドを(買収した)HyperXにしており、これも納得できる施策だ。せっかく育っている「強いブランド」をやめる必要はない。

 さて、昨年の発表で多くの人が懸念を示したのが「コンシューマー最上位ブランドのXPSをなぜやめるのか?」だった。その回答は2026年になり「多くのフィードバックを得てXPSを復活させる」として示された。

デル・テクノロジーズ ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏
デル・テクノロジーズ ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏
過去の発表内容
今回発表されたのは黄色の部分。高コスパのオールインワンと復活のXPS14/16だ。実は昨年XPS13はリニューアルされておらず、残っていた

 XPSはeXtreme Performance Systemの略で、最新の技術を惜しみなく投入したアイコニックな製品を販売している。が、今回のXPSでは二つ「先祖返り」した点が2つある。「タッチパネルとなったファンクションキーの復活」と「タッチパッドの枠」だ。どちらもデザイン上スッキリしていたが、実用性という点では今まで通りの方が望ましいのだろう。

 最新の技術として新しい電力密度の高いバッテリーを使用したという説明があり、70Whというのは14インチ製品ではいままでなかったと思う。

 電源は100Wのものが付属する。「65W電源ではどうなるのか」という質問をしたところ「低消費電力モードで動作する」という回答だった(詳しくは後述)。

 AC駆動でもパフォーマンスが低下するのかどうかはまだわからないが、サードパーティのPD電源やモバイルバッテリーを使う際には注意したい。

 Intel Core Ultra Series3を使っているため、電池持ちはよく動画再生で27時間程度は使えるという。なので、出先で充電となるのは複数日の出張でもないと不要かもしれない。なお「当初は」従来通り3pin電源コネクタのPDアダプタが付属する。

先行予約が人気なのか二カ月以上待ち……

 最近のDELLはBTOというよりもある程度固定化されたコンフィグレーションになっている気がするが、上位モデルであることに加え「復活のXPS」ということで比較的コンフィグレーションの幅が広い。

 カラーはグラファイトが先行投入され、3月以降にシマーというカラーリングが追加投入される(淡いシャンパンゴールドという感じだった)。ディスプレイは14/16インチで、1920x1200非光沢最大500nittの液晶と反射防止加工は施しているものの光沢型の2800x1800 DCI-P3でタッチ対応最大400nittのOLEDが用意される。共に120Hzまでの可変リフレッシュレートで、Dolby Vision対応だ。液晶はバッテリ駆動時間有線のビジネスマン向け、OLEDは色彩のよさからクリエイター向けを想定している。

 CPUはCore Ultra 5 325とCore Ultra X7 358Hがまず登場し、2月13日よりCore Ultra 7 355とCore Ultra X9 388Hが追加投入される予定だ。メモリはLPDDR5で16/32/64GB、ストレージは512G/1T/2T/4Tが想定されている。発表会で質問が出ていたがカラーによってキーボード選択ができないということもない。

 ……ところが、発表会にあるまじきセリフとして「お待たせする」という発言が飛び出した(新製品のスライドで「現在三カ月待ち」と書かれたのを見たのは多分初めての経験だ)。その理由として、先行予約の評判の良さ&部材供給の問題で納期がかかるという。納期は郵便番号を入力することで、構成によって表示される仕組みとなっている。

 発表会でチェックしたところ上位モデルはGW後と表示されて唖然としたが、その後CPUが入るアテが出たのか、帰宅して再チェックしたところXPS 14は標準仕様を見ると最短で4月7日となっていた(原稿を再度見直した3月13日時点では標準構成品が3月24-31日と今月中となっていた。IntelからのCPU到着がかなり良くなったとみるべきだろう)。

 なお、2月3日に行われたIntel Connection Japan 2026の会場で「先行予約開始早々にXPSを注文して、今月中に届くハズ」という方がいらっしゃったので、工場に全く部材がないというわけではなく「事前注文を行ったところ、正式発表時にはバックオーダーが予想をはるかに超えてたまってしまった」というところだろう。

XPS14
XPS14の主なスペック。「現在、3ヶ月待ち」という記載が異彩を放つが、本文でも書いたように納期は短くなっている(とはいえ通常販売よりも相当待たされる、昨年のAlienwareの発表会で5080搭載モデルだけ納期が8週間だったことを思い出した)

 ただし、下位CPUのCore Ultra 325/355を選択するとメモリは16GBモデルしか選択できず、上位CPUの358H/388Hだと32/64GBしか選択できない。上位CPUはGPUが強化されていることもありメモリ速度も下位の7467MT/sに対し、9600MT/sと高速化されている上「メモリが基盤直付けで増設ができない」のがモデル選びで悩ませる。

 生成AIをローカルで動かす、そして今後のAIエージェントをローカルで動かすということを考えるとメモリもストレージも従来以上に必要だと感じるが、こうするとCPUも上位グレードになるので価格が大きく上がってしまうというのがお財布的に厳しい。

 SSDも標準モデルでは512GBで、ローカルAIを本格的に利用するとモデルですぐにいっぱいになってしまう気がする。しかしメインメモリを32GBから64GBにすると103400円、SSDを512GBから1TBにすると16500円、2TBにすると80300円、4TBにすると171600円上乗せになる。

 「AIブームのせいでメモリ、ストレージが高騰している」と言われているが、ローカルAIを本気で使おうとしても高いものになってしまう。企業の生産性を上げるために全社員にローカルで動かせるAI PCを導入となると、経営陣の投資判断が必要となると思ってよい。多分これが現在のAI PC最大の問題点だろう。

 ミニマム構成ではXPS14で280600円だが、原稿執筆時点で最高のスペックにすると(サポートの上乗せをしない状態で)706300円。筆者的には358Hで32GB/1TB、液晶モデルにした420300円ぐらいの構成で、後日SSDを2TBか4TBにすれば何とかなるかなぁ?という気がする(本音を言えばメモリ64GBだが10万アップというのはそうとうシンドイ)。

 なお、USのサポートページをチェックしたところ、ベースパワーはCore Ultra Series3の下限である25W(ターボ時はノーマルモデルで45W、Hモデルで65W)。SSDは2280のソケットが用意されている(昨年のLunar LakeモデルのXPSは2230のソケットでSSDの大容量化に制約があった)。電源は70W以上で通常利用可能で、最低45W給電が必要だ。バッテリは3cellで70Whと大容量だ。ちなみにXPS 16もXPS 14と同様の構成で、パネルが大きくなった以外の差はほとんどない(3月13日時点ではCTOの選択肢に多少の差異があり14インチはRAM 64GBモデルがなく、16インチはSSD 512GBモデルが選べなくなった)。

 また、後日Core Ultra X9 388H vPro製品も投入予定となっている。松原氏も後日投入される可能性を示していた。

 コンシューマー向けのXPSだが「DELLでデザイン性の高い“カッコいいノートパソコン”」としてクリエイターの興味度は高い。数年前のInterBee(映像関係の展示会)でデルが出展した際に「来場者から『XPSの展示はないのか?』と聞かれた」とスタッフから伺っている。OLEDでvProモデルがあれば企業内クリエイターの興味を引くハズだ。

 今回は採用に至らなかったが本来マザーボード直付けで増設、交換が不可能なLPDDRをモジュールにしたLPCAMMという規格がある。元々DELLがDDRメモリのモジュールとしてCAMMをJEDECに提案したという経緯がある上、Core Ultra Series3はLPCAMMをサポートしている。

 現在メモリ交換型で使われているSO-DIMMよりも省スペースかつ、従来はマザーボード直付けのLPDDRメモリが使用できるLPCAMMこそ、先進のテクノロジーをいち早く採用するというXPSの理念にマッチすると思うので採用されなかったのは残念だ。

Core Ultra Series3
Core Ultra Series3のまとめのスライドの右下にLPCAMMサポートと書かれているが、採用モデルは現状なさそうだ

 なお、同日Dell 24AIO/27AIO(All-in-One)も発表されている。実はこちらもCore Ultra 5 325 / Ultra 7 355を搭載しており、DELL初のCopilot+PCのAIOモデルとなっているのが特徴だ。こちらは通常のDDR5メモリーを使用しており、増設交換の余地がある。こちらは2月10日からの予約販売中となっている。

Dell 24/27オールインワンのスペック表
Dell 24/27オールインワンのスペック表。高コスパモデルでいち早く最新CPUを採用というのはちょっとうれしい

 

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