『Weekly Virtual News』(2021年1月10日号)
PSVR2にMeganeX……Quest 2一強のメタバース向けデバイス市場に年始から動きあり
2022年最初の一週間は「VR・メタバース初め」
2021年12月度のSteamハードウェア利用状況調査によれば、『Quest 2』のシェア率はおよそ4割に達している(※1)。数多くの競合製品を抑え、そのシェア率はトップだ。 公式の発表こそ出ていないが、「出荷台数が1,000万台を突破した」という報道(※2)も確認されており、いまや世界中で最も利用されているVRヘッドセットへと成長している……といっても過言ではないだろう。しかし、2022年最初の週は、こうした「Quest 2一色の世界」へ挑まんとする動きが見られた。
まず、株式会社Shitallから、意欲的なVRヘッドセット『MeganeX』が1月4日に発表された。フルトラッキングデバイス『HaritoraX』を送り出した同社が発表した本機は、折りたたみ可能なメガネ型である。重量は約250g(ケーブル部除く)と、Quest 2の半分近くという軽さを実現した上で、解像度5.2KのマイクロOLED、リフレッシュレート120Hzと、スペック面でもQuest 2を凌駕している。価格は10万円未満と発表されており、コスト面ではQuest 2に敵わないものの、軽くて高画質、なにより装着がより手軽なメガネ型というコンセプトは、昨年発売されたHTC社の『VIVE Flow』と並び、ひとつの潮流を形成するだろう。
同社はほかに、ウェアラブル冷温デバイス『Pebble Feel』と、音漏れ防止機能付きの装着型マイク『mutalk』も発表した。『MeganeX』も含めた3つの新製品は、「メタバース向け製品」として打ち出されている。個人開発デバイスの『Haritora』から出発した『HaritoraX』を筆頭に、ShitallはVRメタバースへの訴求を続けている企業のひとつだ。今回の新製品発表も「メタバース事業への本格参入」と位置づけており、こうした動きが国内の企業から生まれているのは注目に値するだろう。
1月5日には、PlayStation VRの新型が『PlayStation VR2』として正式に発表された。解像度4KのOLED、リフレッシュレートも90Hz/120Hzと、高めの基礎スペックを有しつつ、アイトラッキング機能によるフォービエイテッド・レンダリング対応や、頭部の触覚を刺激する「ヘッドセットフィードバック」なる未知の機能も発表されている。コントローラーもOculus Touchの流れを感じさせるモダンなフォルムだ。なにより、これだけのスペックを持つヘッドセットを、PS5につなげるだけで動かせるのは最大のメリットだろう。PS5本体の普及率こそ懸念点であるが、PC接続型とは比にならない導入難易度の低さを武器に、大きな普及が期待できる。