『Project Winter』は、『Among Us』の台頭で人気ジャンルとなった「人狼系アクション」の旗手となれるか? PS4・Switch移植を機に考える
『Project Winter』がいま普及機に移植される意義と、そこにある再ブレイクの可能性
先に述べたとおり、「人狼系アクション」を一般化したのは『Project Winter』の方だった。その後、同ジャンルは『Among Us』のトレンド化を経て、現在ではすっかり市民権を持つようになった印象がある。「『Project Winter』が切り拓いた荒れ地を、『Among Us』が誰でも立ち入れる場所に整地した」という表現がしっくりくるかもしれない。少なくともここ1年において「人狼系アクション」は、「ゲームカルチャーを代表する人気ジャンルの一角」として同文化を牽引してきた。
しかしながら、その2大巨頭である両タイトルはこれまで、PCやモバイルといったプラットフォームを中心にリリースが進んできており、(広く普及済みのハードである)PlayStation4やNintendo Switch、Xboxには門戸が開放されていなかった。昨年末から今年の初めにかけ、ようやく『Among Us』がNintendo Switchへ、『Project Winter』がXboxへと移植されたが、全体における進捗はまだ芳しくないと言わざるを得ない。今後は『Among Us』がPlayStation4/5版、Xbox版の年内リリースを予定しているが、いまが書き入れ時の人気ジャンルである割には、プレイヤーを限定してしまっている感がある。
そのような背景を踏まえたとき、「人狼系アクション」が市民権を獲得し、かつPlayStation4/5版・Xbox版『Among Us』が待望されているこのタイミングでの『Project Winter』のPlayStation4・Nintendo Switchへの移植には、大きな意義と再ブレイクの可能性が秘められているはずだ。
同タイトルは『Among Us』に渡したバトンを再び受け取り、「人狼系アクション」の旗手として台頭できるか。その命運は、同ジャンルが歩んできた歴史と同様、プレイヤーによる口コミにこそかかっているのかもしれない。