VTuber史上初のYouTube300万人登録者を達成 「世界一キュートなサメ」がうる・ぐらが繰り広げる“最先端の国際交流”

がうる・ぐらが繰り広げる“最先端の国際交流”

 2017年9月のスタート以降、様々なメンバーの活躍や大規模なライブイベントの評判などで人気を拡大し、現在ではYouTubeの累計チャンネル登録数が4,000万人を超えるVTuber界屈指の人気事務所「ホロライブプロダクション」。中でも、女性アイドルグループ「ホロライブ」は、メンバー40数名のうち、既に21名のYouTubeチャンネル登録者数が100万人を突破しており、VTuber史上類を見ない規模の人気タレント集団になりつつある。

 メンバーは3Dライブなどを主体にしたアイドル活動に加えて、YouTubeをホームに日々ライブ配信者として活動しており、リスナーと双方向的にやりとりしながらゲームや歌、雑談などを行なっている。また、メンバー同士の仲がよく、突発コラボなども非常に多いため、誰かひとりではなく「ホロライブそのものが好き」というリスナーが多いのも特徴だ。『まんがタイムきらら』系の日常アニメのように賑やかな日常が、筋書きのない形で、365日つねに生配信されている風景を想像してもらえれば、雰囲気が伝わる人も多いかもしれない。

 リアルサウンド テックでは、これから定期的にホロライブのメンバー=通称「ホロメン」の魅力を紹介していきたい。今回紹介するのは、今年の7月にVTuber史上初となるYouTubeの登録者数300万人を突破したホロライブEnglishの“サメちゃん”ことGawr Gura(がうる・ぐら)だ。

 ホロライブが他のVTuberグループと大きく異なる特徴のひとつとして、「海外リスナーの多さ」が挙げられる。というのも、ホロライブはもともと海外のリスナーに向けた活動に積極的で、白上フブキによるショート動画、オーストラリアに留学中だった赤井はあとによる英語配信、さくらみこや戌神ころねによる洋ゲー配信、英語ネイティブの桐生ココによる海外リスナーを巻き込んでの視聴者投稿企画など様々な活動をきっかけに、その人気を世界へと広げていった。このホロライブによる海外でのVTuberブームの影響は非常に大きく、海外在住の筆者の知人も、「VTuberの黎明期に起こったブーム以上の広がり方をしている」と興奮気味に話してくれたことを覚えている。そして、そうした海外リスナーからの期待を受けて誕生した英語圏向けのグループが、ホロライブEnglishだ。サメちゃんは最初の5人組にあたる「Hololive English -Myth-」の一員として、2020年9月13日にデビューした。

 配信内での発言によると、彼女自身も、ホロライブが2019年末~2020年頃にきっかけをつくった海外でのVTuberブームをリスナーとして体験していたようだ。彼女はキズナアイを知って初めてVTuberの文化に触れた後、湊あくあの『Wii Fit』配信をきっかけにしてホロライブにハマり、多くのリスナー同様、そこから他メンバーも含む様々なホロメンの魅力に触れていった。また、グループ加入前からリズムゲームなどで白上フブキの楽曲をプレイしていたそうで、「彼女たちを自分の先輩と呼べるようになったことが嬉しい」と語っている。つまり、彼女はグループが海外へと人気を広げていく中で、多くの海外リスナーと同様にホロライブの魅力に触れ、ついには自分もその一員になったメンバーのひとりなのだ。

 同期にあたる「Hololive English -Myth-」の中では、小柄な身長も手伝って「キュートな末っ子」のイメージで、ぶっ飛んだ思考回路で奇跡を起こす探偵ワトソン・アメリア、クールな死神ラッパー森美声(もりかりおぺ)、プロ級の画力の持ち主で落ち着いた雰囲気の一伊那尓栖(にのまえいなにす)、多言語話者で明るくコミュニケーション能力が高い小鳥遊キアラ(たかなしきあら)といった面々の中で、ちょっと抜けた性格のいじられ役になることも多い。けれども一方で、配信者としては様々な分野で高い能力を持ち、多彩な活動でリスナーを魅了してくれる。この不思議なギャップが、サメちゃんの最大の魅力かもしれない。

 なかでも得意分野として知られているのは、「歌」と「音ゲー」だろう。歌関連では、やはり初配信で歌った山下達郎の「RIDE ON TIME」が印象深い。

 ちょうどこのころは、数年前から海外の一部リスナーの間で竹内まりや「Plastic Love」や松原みき「真夜中のドア~stay with me」などが「日本のシティポップ」として国境を越えて再発見されていた時期。間奏部分で冗談っぽく「City pop shark!」と言っていたこと踏まえても、「RIDE ON TIME」はそうした当時の雰囲気に合わせた選曲だったのだろう。普段の歌配信ではフランク・シナトラのスタンダードや海外のポップス、アニソン、星野源の「恋」といったJ-POPの人気曲まで幅広い選曲を行なっており、ウクレレの弾き語りを行なったこともある。今年6月の誕生日記念配信では初のオリジナル曲「REFLECT」も発表した。

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