「ホロライブ・オルタナティブ」に感じた“本気の二次創作”の楽しさと可能性 「HOLOEARTH」などとの関連性から考える

「ホロライブ・オルタナティブ」に感じた“本気の二次創作”の楽しさと可能性 「HOLOEARTH」などとの関連性から考える

 今YouTubeで話題の動画「『ホロライブ・オルタナティブ』 ティザーPV(Fullver)」をご存じだろうか。この動画はVTuberグループ・ホロライブが予告編を公開したティザーPVのフルVer.で、5月21日の公開後、数日で350万回再生を突破している。

『ホロライブ・オルタナティブ』 ティザーPV(Fullver)

 「ホロライブ」は所属タレントの総チャンネル登録者数が4000万人を超えるVTuber・バーチャルタレント界屈指の人気グループ。最大の特徴は、メンバーそれぞれが自ら企画を考えて日々ゲームや歌、雑談、企画などのライブ配信を行なう「配信者」であると同時に、ステージで歌って踊る「アイドル」でもあること。2020年1月には初の全体ライブ「hololive 1st fes.『ノンストップ・ストーリー』」を、同年12月には2nd Fes「hololive 2nd fes. Beyond the Stage Supported By Bushiroad」を開催。2021年2月には、「もっとみんなでアイドルがしたい」メンバーによる全編オリジナル曲ライブ「hololive IDOL PROJECT 1st Live.『Bloom,』」も実現した。

 主にインドネシア語で活動するホロライブIndonesia、主に英語で活動するホロライブEnglishといった海外組が存在することに加え、そもそも日本のメンバーも海外で人気を博しているため、前述のすべてのライブがTwitterのトレンドで世界1位になっている。

 そんなホロライブの新プロジェクトである「ホロライブ・オルタナティブ」は、2月の「Bloom」のアンコールMC時にティザーPVの予告編を公開すると、クオリティの高さからVTuberファン以外の様々な人々も巻き込んで話題となった“異世界創造プロジェクト”だ。
 「ホロライブ・オルタナティブ」は、いわば公式が手掛けるホロライブの二次創作プロジェクト。まだ全貌は明らかにされていないものの、アニメやゲーム、マンガなど様々なメディアを通して「もしかしたら存在するかもしれない『とあるセカイを描く』」予定だという。そのスタート地点として、プロジェクトの世界観を伝える映像が今回のティザーPVとなる。

 まず印象的なのは、ティザーPVを制作したクリエイターの顔ぶれだ。監督/絵コンテ/演出は、『Fate/Grand Order』(以下『FGO』)のTVCMや周年動画、『Fate/Apocrypha』のアクションディレクターなどを担当した榎戸駿。キャラクターデザイン/作画監督は『FGO』第2部後期OPアニメなどの作画監督を務めた山田有慶が担当している。また、原画には榎戸氏とタッグを組む形で近年の『FGO』のTVCMシリーズを多数制作している盟友・坂詰嵩仁も参加。近年の『FGO』にかかわるアニメーション界注目の面々が揃っている。

 加えて、原画には他にも『FGO』や『Fate/Apocrypha』などに携わってきたメンバーを中心に岩澤亨、田中一真、中山直哉、柴田海、河野敏弥、廣江啓輔といった人気クリエイターが集結。撮影監督は『鉄腕バーディー DECODE』や『NARUTO -ナルト- 疾風伝』などでも知られ、演出・作画監督・原画・動画・撮影などをマルチに担当できる山下清悟と、『五等分の花嫁∬』の千葉大輔が共同で担当した。ロゴやテロップなどは有馬トモユキが担当。『マーベル』の実写映画作品のようなハリウッド超大作の感覚にも近いアクションシーンのダイナミックなカメラワークや、2分弱の映像とは思えない情報量でプロジェクトの世界観を伝えるものになっている。

 ちなみに、このティザーPVは、2020年4月1日、山田氏がエイプリルフールの冗談としてつぶやいたこんなツイートがきっかけになっている。そこにホロライブを運営するカバー株式会社のCEO・谷郷元昭氏がリプライを返したことが今回のティザーPVに繋がった。

 ホロライブはもともと、細部までこだわりを感じるクオリティの高いLive2D/3Dモデルや衣装なども手伝ってクリエイターにも人気が高い。そんな過去からの積み重ねと、ひょんなきっかけが重なってスタートした本気の公式二次創作が、このティザーPVと言えそうだ。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる