『ウマ娘 プリティーダービー』はなぜヒットした? トレンド化を決定づけた2つのゲーム性

『ウマ娘』はなぜヒット?

 『ウマ娘 プリティーダービー』の快進撃が止まらない。

 2月24日のサービス開始以降、口コミで支持を広げ、3月1日には100万ダウンロードを突破。その後も勢いは衰えることなく、3月10日に200万、3月17日に300万、3月30日に400万ダウンロードをそれぞれ達成している。

 そもそも同タイトルはリセマラ(※)に再インストールが必要ないため、数字の伸びはユーザーの純増分ということになる。リリースから3週間を経ても、継続的かつ驚異的なペースでダウンロード数を増やし続けるタイトルは、スマホゲームの歴史を振り返ってもあまり例がないはずだ。

 『ウマ娘 プリティーダービー』はなぜ、稀に見るヒットタイトルとなり得たのだろうか。本稿では、トレンド化を決定づけた2つの要素へと迫る。

※リセットマラソンの略語。プレイ開始直後に得られるガチャ機会を活かし、希望のカードが出るまでリセットを繰り返す作業のこと。

浸透に寄与した“カジュアルなゲーム性”

 「『ウマ娘 プリティーダービー』ヒットの理由」を考えるならば、まず同タイトルの持つ“カジュアルなゲーム性”について触れておかなければならない。

 『ウマ娘 プリティーダービー』の基本システムである「育成モード」は、特別な知識や技術がなくても遊べるうえ、(毎度繰り返されるイベントをスキップすれば)30分から1時間ほどの短い時間で1プレイを完結できる特徴を持っている。そのため、ゲーム特有の難しい理屈や操作に不慣れ、あるいは他の生活に忙しいといったプレイヤーでも、限りなく平等に近い形でその内容を楽しむことができるのだ。例えば、難しいシステムに抵抗のあるライト層。仕事が忙しくゲームに多くの時間を割けない社会人。これまで現実の競馬に親しんできたオールドファン。こういった層でもチャレンジしやすい土壌が整っていた点は見逃せない。

 SNSや配信、Webメディアの記事といったネット上の情報を経由し、『ウマ娘 プリティーダービー』の存在を知った後発プレイヤーはおそらく多いはず。もしそこで触れたゲーム性が「1プレイの拘束時間が長く、特別な知識・技術の求められるもの」だったとしたら、現在のウマ娘フィーバーはなかったのではないだろうか。同タイトルが“瞬間風速”ではなく、言わば“ロングラン”的に支持を広げていった背景に、こうした”カジュアルなゲーム性”があったのは間違いない。

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