素潜り漁師YouTuberマサルの動画に見る“生きる力” 驚くべきサバイバル企画続く
コロナウイルスの影響で、行動の制限を余儀なくされた2020年。年末が近づく中「2020年最後、少しでも良い気分で終われたら」との想いで、12月の毎日投稿を宣言したYouTuberがいる。素潜り漁師のYouTuber、マサルだ。
第一弾として12月1日に投稿された「400kg超え。人喰いザメをぶっ刺して解体してみると・・・」は、現在までに163万回再生を突破。12月10日に投稿された目玉企画「10日間ガチサバイバル」を前に、多くの注目を集めることになった。今回は、YouTubeで圧倒的な「生きる力」を発揮するマサルの魅力に迫る。
メインチャンネルで発信するのは、素潜り漁と料理動画だ。素潜り漁と聞いて思い浮かぶのが、テレビ朝日の人気番組『いきなり!黄金伝説。』で放送された「よゐこの無人島0円生活」だろう。マサルの名前の由来は、同番組の出演者、よゐこ・濱口優だという。
そんな彼のチャンネルで注目すべきは、毒魚の存在だ。彼の動画で毒や寄生虫はおなじみとなっており、ゲテモノ料理を作って食べる企画は知的好奇心を刺激する。もちろん毒は丁寧に処理するのだが、ときに食中毒を起こしてしまうことも。それでもあらゆる食材を求め「口が痺れない」「うわぁ、なんか毒食べてるなあ」とあっさり話す彼を見ていると、なぜ毒を求めるのか疑問に思うだろう。
マサルは8月5日に公開された動画「全身猛毒のバケモノ。食べたら衝撃すぎた。」の中で、猛毒を持つオニヒトデを前に「美味いか不味いかじゃなくて、こいつがどんな味なのかっていうのは絶対的に知っておかなきゃいけない」と話している。原動力は彼自身の大きな好奇心、あるいは素潜り漁師としてYouTubeで発信する使命感なのだろうか。何にしても真剣に体を張る動画は目を見張るものがある。
とはいえ、何でも食べてしまう姿に、視聴者から心配の声が上がるのも無理はない。それでも彼を応援してしまう要因の1つに、明るく親しみやすい人柄があるといえる。カメラの前の視聴者に語りかけるような話し方や自然体の振る舞いは、あらゆる世代に支持されそうだ。加えて、魚突きの危険性をしっかりと伝える誠実さもある。
2019年9月に行われた質問コーナーで、最も多かった質問は「魚突きの始め方」だった。これに対しマサルは、経験者でも命を落とす、魚突きの実態を説明した上で、始め方に関する情報は発信しないと公言している。そんな人柄もあって、多くの人が応援しているのだろう。刺激的な動画が支持される裏には、彼の人柄を評価する視聴者からの信頼があるのだ。
また、彼の魅力の1つが解説であることもお伝えしておきたい。伝えるのは専門性の高い知識だが、難しい言葉は使わず、自分の言葉でユーモアたっぷりに発信している。分かりやすさに頷きたくなるようなトークもさることながら、さらっと放たれるパワーワードにも注目してほしい。30分前後の比較的長い動画であっても、知性とユーモアのバランスが取れた解説が、最後まで見てしまう要因となっている。