充電不要の三輪EV車『Paradigm』登場 新たな形のソーラーエコカーはなぜ実現した?

充電不要の三輪EV車『Paradigm』登場

 また、これを可能にしたのはソーラーパネル自体の技術の発展だ。従来はとても曲げることのできなかったパネルを、より柔軟性にある形で開発することができたことから、24%の効率性を保ちつつ、今回のParadigmのようにユニークなフォルムの車体をカバーすることができた。Paradigmの抵抗係数0.13という数字は、テスラModel 3が0.23、フォルクスワーゲン電気自動車ID.4が0.28と、他社のEVと比べてみても圧倒的に低い。

 今月から予約が始まったParadigmとParadigm Plusモデルは、25900ドルから46000ドルの価格帯となっており、2021年に発売予定。実際、統計によるとほとんどのドライバーたちは1日30マイル以下しか走行しないため、CEOのPaul Wilburは「今回の充電不要の航行距離はふだんで車を利用する人たちの生活をよりエコに、そして楽にしていけると思う」と話しており、もっと電気自動車を身近にしたいという思いを叶える車となりそうだ。

 「エコカー」というのは概念だけではなく、このように現実的な観点から持続可能である点が重要だと考えられる。いかにして車の利用を簡単にしていけるかという利用者目線と、太陽発電というエコな点を共存させていくことが、これから本格的に電気自動車やエコカーを市場に広めていく際の重要なポイントになっていくのかもしれない。

(画像=Cardriverより)

■mugiho
ニュージーランドの大学でマオリ文化の発展・都市計画・教育について学びながら映画、テック、文化芸術について執筆するフリーライターと翻訳家。人間観察をしながらたまにそれらについて書いたり撮ったりしている。

〈Source〉
https://www.theverge.com/2020/12/6/22157109/aptera-ev-solar-charging-vehicle
https://www.caranddriver.com/news/a29445577/aptera-three-wheeler-solar-no-charging/
https://www.caranddriver.com/news/a15340410/hype-aside-real-solar-cars-are-long-off-but-dont-tell-sono-motors-that/
https://blog.evsmart.net/vw/id4/vw-id4-announcement/
https://www.prnewswire.com/news-releases/aptera-reveals-first-never-charge-solar-vehicle-301186654.html
https://www.engadget.com/2011-02-07-aptera-no-production-vehicles-until-we-get-funding-from-the-go.html
https://www.engadget.com/2009-10-30-aptera-2e-three-wheeler-deemed-a-car-by-the-doe-eligible-for-fu.html
https://da08ff99-fd1e-4a74-a1ff-5a92f149508f.filesusr.com/ugd/312682_ed4aa901f9314a20a3e0a3aabee2cc09.pdf
https://www.caranddriver.com/news/a34875659/aptera-ev-solar-no-charging-revealed/

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