MyBMG、SYNCROOM、Endless……ウィズコロナ時代に進む“音楽業界のリモートワーク最前線”
リモートセッションを可能にするツールでは『Endless』という音楽アプリも興味深い。アプリにはドラム、ベース、シンセなどのDAW(音楽制作ソフト)に見られる音源が付属しており、ユーザーはそれらを伝ってループフレーズを作成する。そうしてできあがったループをセッションに参加している仲間内でアイデアとして出し合いしながら、ひとつの曲を作り上げていくというのが基本的な使い方になっている。
ちなみにスマホ向けアプリとはいえ、キーやスケール、テンポ、拍子などの設定やギターやボーカルを外部から取り込んでセッションに加えることができるほか、セッションで制作する曲をブラッシュアップするエフェクト類も一般的なDAWに搭載されているようなひととおりのものが揃うなど、なかなか侮れない仕様になっている。また本格的に楽曲を仕上げたい場合は、外部のDAWとの連携も可能だ。
一昔前であれば、スマホ向けの音楽アプリでプロが楽曲を制作するには心もとないイメージが少ながらずあったが、現在ではスマホ向けの音楽アプリを駆使して音楽制作する若手音楽クリエイターは増えてきており、年々スマホがハイスペック化していっていることから、今後のさらなる発展が期待される市場でもある。そして、スマホは現在のオンラインコミュニケーションを生み出す起点であることはすでに多くの人が実感していることだと思うが、そういった背景があるからこそ、ユーザー同士の交流を生み出すリモートセッションとの相性も良い。
このように音楽業界でもリモートワーク環境は広がっている。収束がまだ見えないウィズコロナの時代においては、クリエイティブを止めないためにもこういったデジタルを活用したワークスペースやワークフローに順応していくことが求められる。そして、それが”新しい日常”の一部になっていくのではないだろうか。
(メイン画像=PR Timesより)
■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69
〈Source〉
https://www.bmg.com/de/news/BMG-opens-up-its-app-to-songwriters-and-artists-to-create-new-hit-songs.html
https://syncroom.yamaha.com/
https://syncroom.yamaha.com/play/
https://endlesss.fm