だから香取慎吾はいつでもカッコいい YouTubeで見せた“国民的アイドルのエンタメ”
さらに、6月27日には初の「歌ってみた動画」もアップ。YOASOBIの「夜に駆ける」をテンポよく歌い上げる。抜群のリズム感はもちろんのこと、香取の大きな口の中で響き奏でられる独特な音が心地よい。特に〈だけだった〉〈重なってた〉〈してたんだ〉という語尾に多くある、母音が「あ」の音が耳に楽しい。〈心無い〉〈うるさい〉と韻が同じ言葉の連続にも、つい首を頷かせてリズムを取りたくなる。
そんな黄色い帽子を忘れるほど、香取の歌声にうっとりしていると、画面の中で暴れ出す少年の香取。これは、真剣な「歌ってみた」動画なのか、それとも「歌ってみた」コントなのか、見続けるほどに混乱させられる。いや、その混乱こそが、彼が国民的アイドルとして魅せてくれてきたエンタメの主軸だった。アイドルだけど全力でコントをする。仕事だけど全力で遊ぶ。ベテランだけど全力で新人になる。真剣だけど全力でふざける……その全力ぶりこそが、見る者の心を突き上げるカッコいいになる。だから香取慎吾は、カッコいいの。これまでも、きっとこれからも。